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「はーい、みんな注目!」
今日は園児のみんなにとって特別な日。それは…
「今日は遠足です!」
「わぁーい!」
園児たちははしゃぎ、私の周りによってくる。
「はいはい。で、どこに行くかなんだけどね?ユラギちゃん、よろしく。」
「えっと…ドラゴンの郷?に行きます!」
ドラゴンの郷って、ドラゴンがいっぱいいるのかな?谷とかなのかな?
「あー!」
「で、今からバスに乗るので着いてきてください!」
園児たちはてくてくとバスに向かって歩いていく。その姿は本当に天使そのもの。
「…って、このバス。バスじゃ…ない?」
バスって四角でタイヤがついてるよね?
ナギ先輩とアルマちゃんはこの…ドラゴン。を指差して「これ、バスだけど。」と言う。…どこが!?
「はぁい、みんなぁ、のってねぇ。」
「ほらあんたも子供達みて。」
眠そうなアルマちゃんをナギ先輩は押し退けて園児たちをドラゴンの背中に乗せていく。ドラゴンの背中は思ったより高く、怖い。
「うぉっ、」
ドラゴンが少しでも動くとかなり揺れる。え、怖くないの!?園児たちはきゃっきゃきゃっきゃとはしゃいでいる。私はそんな事出来ないのに…。
「全員のったねぇ!行くよー!」
ナギ先輩とアルマちゃんがドラゴンの背中に乗る。下でザラメさんがこちらに手を振っていた。
「いってらっしゃーい!」
「ちぇきまぁーす!」
そんなこんなで恐怖の遠足が始まった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「このド…じゃなくてバスって、操縦士っていないんですか?」
「いないわよ。そんなことしなくったって行ってくれるわ。」
こっわ。風も直で来るし…異世界ってこれが普通なの?さっきからレイ君が私の服引っ張って来てるし、怖い子もいるはずだよね。
「レイ君、先生のお膝においで。」
「う。」
耳が垂れ下がってるレイ君も可愛いな。
「そういえばユラギちゃん、生徒の名前は覚えれたの?」
「い、一応…。」
リールベントにいる園児は計10人。少ないから覚えれると思っていたがこれが難しい。種族が同じの園児、双子の子だっている。園児たちを年で並べるとこうだ。
竜種 ユーナちゃん(4 )
ディミニア君(4)
鬼人 マリフィア君(3)
獣人 レイ君 (3)
ミルクちゃん(3)
エルフ
エアリスちゃん(2)
オリヴィアちゃん(2)
魚人 ライリット君 (2)
人間 オリヒメちゃん(1)
獣人 ソラちゃん (0 )
となる。良く覚えたなと自分に拍手を贈りたいもんだ。この中で一番問題児なのはやはり、ユーナちゃんだろう。だけどみんな可愛い。
「まぁ、これぐらい覚えれて当たり前よ。さぁ、もう少しでつくわね。」
「どんまいですぅ。」
うぅ、ひどいなぁ先輩。
「がんばた。」
そんな中、レイ君は私を撫でてくれた。ダメっ、死んじゃう先生。
「ありがとう、レイ君。」
いつしかこの高さや風が怖いと思わなくなった。奥に緑が見える。あそこがきっとドラゴンの郷なんだろう。
「みんなー、降下するから捕まってー。」
風が強い。私顔きもくなってないかな。心配。気がつけばそこは緑の楽園だった。
「綺麗ですねー。」
「でしょ?休日はいつもここにいるの。」
園児たちはすぐに走っていった。自然を満喫できるのはいいことだと思う。あっちの世界にはビルしかないからな。
「んんー!」
大きく伸びをしてみた。空気が綺麗だ。
こんなとこで住めたらな、と考える。
「しぇんしぇー!」
「ぅっ。」
私のところにダイブしてきたのはエアリスちゃんか。耳が尖ってるから刺さると痛い。
「はい、おはにぁー!」
不器用ながらも頑張って作ったであろう花の冠を私の頭に乗せてくれた。小さかったが、それはそれで良かった。
「よぉーし!先生も遊ぶぞー!」
ここでの自分は本当の自分だっただろう。みんなで遊んで、疲れてしまった。