なんか小説書いてみました。
放課後の水族館は、静かで、少しだけさみしい。
水槽越しに漂うクラゲの群れが、ゆっくりと揺れている。
その前に、きみがいた。
「……やっぱ、ここ好きだな」
制服の胸元を指でつまみながら、きみがつぶやく。
横顔が、水色の光に染まってきれいだった。
きみとこうして二人で来るのは、今日が初めてだった。
なのに、どうしてだろう。
ずっと前から、こうして隣にいたような気がした。
勇気を出して、ぼくは声をかけた。
「ねえ、もしさ——」
そのとき、きみのスマホが震えた。
きみは一瞬だけ目を伏せ、画面を見て、
そして、立ち上がった。
「……ごめん、行かなきゃ」
そう言って背を向ける、その瞬間。
ぼくは、きみに聞いてしまった。
「好きな人って、いるの?」
きみは立ち止まり、振り返らずに答えた。
「……いるよ。でも——」
そこで言葉は、途切れた。
──つづく。
また続きも書きます。
コメント
1件
続き楽しみ! うまくかけたね\(^o^)/