血刃が渦巻く中、まどかは冷徹な笑みを浮かべながら後退する。
レイスの力は、ただの吸血鬼の域を超えている。
血液を操り、周囲の空気を震わせるその力は、まどかですら恐れを抱かせるほどだ。
「強い……」
まどかは舌を舐めるように言った。
「でも、あなたも私には勝てない。」
まどかの右手に新たな魔法陣が現れる。
黒い霧が一気に集まり、魔物たちが再び蘇生し始める。
その数は増えており、瞬く間にレイスの周囲を取り囲んでいった。
「ふっ、馬鹿な。」
レイスは冷然と呟き、手を一振りすると、血の刃が魔物たちに突き刺さる。
「…あなたの魔法で死ぬ者は、もういない。」
魔物たちは次々に爆発音と共に血に溶けて消えていく。
まどかの表情が一瞬歪む。
「どうして……」
まどかの目が鋭く光る。
「僕の血液は、ただの血じゃない。」
レイスは微笑むと、再び手を一振り。
今度は、自らの血を操り、魔物たちの残骸を吸収させ、巨大な血の巨人を作り出した。
「これが俺の力だ。お前の魔法で俺を殺すことはできない。」
巨大な血の巨人がまどかの方へ突進していく。
まどかは、意識を集中し、魔法陣を展開しようとするが、それを遮るように血の巨人が間に割って入る。
「くっ、やるじゃない。」
まどかは驚愕の表情を見せ、後退しながら呪文を詠唱する。
「だが、次は簡単にはいかないわよ。」
まどかの右手が黒い閃きを放つ。
その瞬間、空気が変わり、魔物たちの力が増していく。
「―――この戦い、私が勝つ。」
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