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言わないで。

2 - 忘れてない

♥

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2024年08月13日

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「できたよめろちゃん」

「おぉ…!!」

色鮮やかな野菜と高そうなお肉に目を奪われる。

「これ食べちゃっていいの…?」

「いいよ笑食べてくれなきゃ、作った意味がないでしょう?笑」

「あはは、だよね笑」

(でも、こんな豪華な料理、一人で食べるのは勿体ないなぁ………………)

「…あ、りぃちょくん達も呼んであげよう。俺達だけじゃ食べきれないし…!」

名案を思いつき口にすると、じゅうはちが固まった。

「!」

「じゅうはっちー…?」

「やっぱり、覚えてないよ…にきにき………」

じゅうはちは俯いたままぽそりとそう零した。

「覚えてないって、なにを……」

「りぃちょは――」

じゅうはちのその先の言葉を聞きたくなくて、咄嗟に耳を塞いだ。

「りぃちょくんのこと、?わすれてない、よ。なにも…」

「りぃちょくんは、女研のメンバーで、大切な仲間で、俺の恋人で、大切な人で……………………」

「昨日の夜だって、電話して……………」

どうしたんだっけ。

電話して、そこから、どうしたんだっけ。

たしかりぃちょくんは外にいて、それで、えっと………………………



深夜に見たニュース記事。

東京都○○区で、20代前半の男性が腹部を刺される。病院に搬送されたが、死亡。

被害者の男性は登録者30万人越えのYouTuber、

”““りぃちょ”““だと分かっており――


どうにかなってしまいそうだった。

りぃちょくんが、死んだ。

そんなわけが無い。

信じられなくて、信じたくなくて

早く次の日になって、りぃちょくんと話がしたくて

家にあった睡眠薬を口に詰め込みベッドに倒れた。



俺は確かに彼に会ったんだ。

彼と話して、彼に触れて、彼と一緒に眠りについた。

彼の頬の感触だって覚えてる。

彼と交した口付けの感覚も、全部、全部覚えてる。

死ぬ訳が無い。確かに俺は、彼は―――


「めろちゃん…おちついて………っ…」

気づけば、震えた声の18号さんが、俺を後ろから抱きしめていた。

「ぁ………」

自身の手には大量の錠剤が握られており、錠剤をしまっていた引き出しが全て外れていた。

「りぃ……ちょ…く…は…………っ…」

自身の息継ぎの音を最後に、意識が途切れた。

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