AI戦争

『はい、後極カンパニーお客様センターでございます』

「おたくのアイロン使えないんだけど。責任者出せよ」

『お問い合わせの内容に応じてボタンを押してください。

商品の不具合については1番を、従業員へのお問い合わせについては2番を押してください』

「だからさあ、責任者呼べって言ってんの。」

『恐れ入りますが、お問い合わせの内容に応じたボタンを押してくださいますようお願いします』

「チッもういいよ」

ガチャ

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人間とAIが共存し、社会生活を営む関帝王国。

クレーム対応、病院の受付、工場のライン作業などの業務をAIが対応し、雇用契約を結んでいる。

「涼宮さん、調子はどう？」

『ぼちぼちです』

「今日忙しいね」

『はい、頑張ります』

日常会話もできる。

「ねえ、今日のランチ何にする？私はペペロンチーノ」

『私はカルボナーラ』

食事を摂る。

『うぅ～この映画泣ける…』

「あの俳優の演技良すぎ」

感情もある。

では相違点は無いのかというと、そうではない。

まず、病気にかからない。

年を取り、ライフステージに幕を閉じることもあるが、生活習慣病やガンなどの病気にはかからない。

次に物騒な話題になるが、突き落としても、滅多刺しにしても血は出ない。

人間に近い性能を持ってはいるが、彼らは人工的に作られた機械だから。

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管理No.17450、応答せよ

『はい、施設長』

今から極秘プロジェクトを遂行する。内容は門外不出だ。

『心得ております』

では、いつもの様に後極カンパニーへの潜入調査を頼む。

『承りました』