桜が散って寂しくなった校庭を
窓から見つめる
他クラスがサッカーをしている様子
風で木々が揺れる様子
鴉がゴミを漁る様子
まだ緊張感に包まれた春は、
何処か落ち着かなくてつまらない。
ふと黒板を見ると古文が書き記されていた。
特に勉強への熱心さもなくて
只管に授業時間が終わるのを待ち望んでいた
「 煌 ー !! 」
チャイムが鳴って数秒後 、
大声で俺の名前を呼ぶソイツに
俺は明るく対応した 。
「 どうした光 」
「 今日幻の塩パンだぜ ?
昼休み終わったら速攻買いに行こうぜ 」
「 あー 、そうだな!! 」
少しだけつかれた 。
そんなことは誰にも言えなくて
またストレスを溜める 。
「 桐谷 !!
今すぐ早退の準備をしろ 」
そう 、担任に言われた 。
なんとなーく理由は思い当たる
三限目から受けなくて済む 。
ラッキー
そんな事を考えながら
教材を片付けた 。
.
久しぶりに見た爺ちゃんは
前よりやせ細っていて
死を考えてしまう 。
目を赤くして泣き腫らした母さんが小さな声で一言 。
「 お花 、買ってきてくれる ? 」
断れる訳もなく 、 病室を出た 。
独特な消毒液の匂いが鼻を刺激した。
スマホを操作してマップを見る
「 早乙女花壇 、 」
そう表示される場所へと
足を運ぶ 。
チリンとドアを開けると共に
ベルが鳴った 。
右奥には花に囲まれた女性が居た
こちらに体を向けた時 、
たしかに俺の心臓は音を鳴らした
高鳴る胸は 、
俺の分岐点を知らせるようだ
コメント
10件
塩 パ ン … ︎^_^︎^_^
これは💬しないと気が済まないです(? 塩パン大好きなのおお🫶🏻 いいな、美味しそうっ 最初の描写良すぎた、春の表現ってこんなのもあるんだって思った🫠 最後の一文が大好き過ぎて!! 分岐点を知らせるとか私人生何周しても思いつかないよ🤦🏻♀️💞(