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ー無断での飲み会、嫉妬の炎ー
その日は、仕事が早めに終わった。
神谷、櫻井、鈴村の三人は、久しぶりに集まって飲みに行くことになった。
しかし、自由はその日、仕事が終わった後に急な打ち合わせが入っていて、予定が狂ってしまった。
鈴村「お前、今日は来られないんだな」
鈴村が少し残念そうに言ったが、神谷もまたそれに同調して微笑んだ。
神谷「まあ、仕方ないな。今度はみんなで行こう」
櫻井も笑って答えるが、どこか嬉しそうだった。
櫻井「うん、次は絶対誘うから。今日はみんなで楽しもう」
そのまま、三人は飲みに行った。
もちろん、自由には何も言わずに。
「また今度」なんて言いながら、結局連絡もしないまま過ごした。
数時間後。
自由は打ち合わせが終わり、疲れた体で帰ろうとしていた。しかし、ふと、神谷からの連絡を確認する。
入野「……あれ?」
神谷からのメッセージはなかった。
そして、よく見ると、櫻井と鈴村からも連絡が来ていない。
入野(今日は何してるんだろう……)
ちょっとした不安が頭をよぎった。
いつもなら、神谷は必ず連絡をくれる。
それなのに、今日はどうして何もないのか?
心の中で、どこか寂しい気持ちが湧き上がってきた。
ふと、気がついた。
入野(もしかして……)
自由は足を速めて、神谷の事務所の前を通り過ぎた。
そこから少し歩いたところで、目に入ったのは、神谷、櫻井、鈴村の三人が楽しそうに歩いている姿だった。
入野(……え?)
自由はその瞬間、驚きと共に心がざわつくのを感じた。
どうして、自分に何も言わずに飲みに行ったのだろうか。
心の中で、怒りと疑問が交錯する。
そのまま歩いていた三人に気づかれることなく、自由はその場で立ち止まった。
入野(こんな……無断で、三人だけで楽しむなんて)
少し冷静さを欠いて、心が勝手に嫉妬の気持ちでいっぱいになる。
今まで感じたことがなかった、なんとも言えないモヤモヤとした感情が胸を締め付ける。
神谷たちは気づいていないだろう。
だが、自由はその場から動けず、ただ三人を見つめていた。
その夜、自由は部屋でじっとしていた。
自分でも驚くほど、心がざわついている。
入野「なんで……気になっちゃうんだろう」
こんなに自分が嫉妬しているなんて、自由自身が信じられなかった。
普段は明るく、誰にでも優しい自分。
でも、神谷に関してだけは、なぜこんなにも心が乱れるのだろう。
その時、携帯が鳴った。
神谷からのメッセージだった。
神谷〘ごめん、今日、飲み会に行ってて連絡できなかった。次は必ずみんなで行こう〙
そのメッセージを見た瞬間、自由は無意識に携帯を握りしめた。
そして、深呼吸をしながら、心を落ち着けようとする。
入野(……本当に、無断で行くなんて)
メッセージには、何も悪意は感じられない。
ただ、何も考えずに楽しんでしまったのだろう。しかし、自由はどうしてもその事実を受け入れられなかった。
そのまま、神谷に返事を打つ。
入野〘次は、誘ってください。俺、気になったんです。〙
そのメッセージを送ると、しばらくの間返信はなかった。
しかし、やがて神谷から返事が来る。
神谷〘ごめん、気をつけるよ。自由のこと、全然気にしてなかった。すまん。〙
その返事を読んだ瞬間、自由の胸は少しだけ温かくなった。
入野〘……うん、いいよ。謝らなくても〙
それだけ言って、自由は携帯を置いた。
やっぱり、少し気になっている自分がいた。でも、今はそれが恥ずかしくて、少しだけ笑いたくなった。