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ー心の距離、唇で埋めるー
その日、自由は神谷と二人きりで過ごす時間を持った。
日中の仕事も終わり、静かなカフェで向かい合って座っていた。
入野「……あの、さっきのこと、気にしないで」
自由は少し恥ずかしそうに言った。神谷が先ほど、無断で飲みに行ったことについて、あまりにも心がモヤモヤしていたため、思わず口にしてしまった。
神谷は微笑みながら、軽く肩をすくめて言った。
神谷「気にしないよ。むしろ、俺もお前が気になってるって分かったから、嬉しい」
その言葉に、自由は少しドキリとした。
普段はあまり真面目に話さない神谷が、こんなにも素直に自分に向き合ってくれるのは珍しい。
入野「本当に?」
神谷「うん、自由が気にしてくれること自体、俺は嬉しい。お前が俺のこと、どれだけ大切に思ってくれてるのか、少し分かった気がする」
その言葉に、自由の胸は温かくなった。
そして、もう一度深呼吸をしてから、少しだけ目を逸らしながら言った。
入野「俺……神谷さんのこと、好きだよ。でも、なんでか時々、すごく不安になって」
神谷はその言葉に真剣に耳を傾け、静かに言った。
神谷「分かるよ。でも、俺だってお前のことが大切だし、不安になる気持ちもわかる。だから、これからはちゃんとお前に向き合っていきたいと思ってる」
その言葉に、自由は静かに頷いた。
そして、ふと顔を上げると、神谷が少しだけ近づいてきたのが見えた。
入野「……神谷さん?」
神谷「お前が不安になるなら、俺がその不安を全部引き受けるよ」
その言葉と共に、神谷は優しく自由の頬に手を添えた。
自由はその手の温もりを感じながら、ドキドキする心を抑えられなくなっていた。
入野「……いいよ。俺、神谷さんがいれば、それだけで大丈夫」
その言葉を合図に、神谷は少し顔を近づけ、優しく自由の唇に触れた。
最初はそっと、軽く触れるようなキスだったが、次第にお互いの距離が縮まり、キスが深まっていった。
その瞬間、自由は心の中で何かが解けたように感じた。
不安や迷いがすべて消えて、ただ神谷の温もりだけが胸に広がっていく。
キスが終わり、二人は静かに顔を見合わせた。
自由は少し照れたように笑い、神谷も同じように微笑んだ。
神谷「……これで、不安もなくなった?」
入野「うん、ありがとう」
そのまま、二人はしばらく手を握り合いながら、言葉を交わさずにお互いの温もりを感じていた。