なんだろう、今日はやけに騒がしいな。
「おはようございま~す。」
…反応無し。え、そんなにやばいこと起きちゃった?G出たとか?いや、そんなことだったらとっくの前に悲鳴で溢れてるか。どちらかと言えばアイドルが来て賑やかになってる感じなんだよな。
「ナギ先輩、どうしました?」
「…ユラギちゃん、よく聞いてね?」
「は、はい。」
「ま、ま、ま、魔王の子供がやって来る。」
魔王?魔王ってあの魔王?世界滅ぼしてやる~見たいな悪役?…え、その子供ってお前ら雑魚は我の話を聞けば良いのだ!とか言うのかな。やなんだけど。
「あぁ、このリールベントもとうとうそこまで来たのね。」
「ナギ!もうすぐいらっしゃるぞ!」
ザラメさんが大声で言った。そんなに凄いことなんだ。そりゃそうだよね。魔界の王様がやってくるんだよ。私だってちょっと…見てみたい気持ちがあるもん。
空が暗くなった。嵐だろうか、稲妻が発生している。園児たちを中に入れなければ。
「魔王降臨ってとこだな。」
そして、空から黒い何かが向かってくる。あれが、魔王。
「ここがリールベントか。今日から頼むよ。」
地に降りてきた魔王は普通のお父さん。いかつい感じも、禍々しい感じもしない。魔王…なんか弱そう。
「…それは人間か?我が弱く見える…なんとも面白い。」
「あ、も、申し訳ございません…。 」
ウソウソウソ、脳内読める系の魔王!?え、カッコいい。人が何考えてるのか分かるってことは愚痴とか聞こえるってことだよねぇ…すげ。
「そこの人間の脳内は忙しそうだな。」
「新人なんです。申し訳ございません、魔王様。」
「すみません…。」
「では、今日から二人を頼む。」
…え、一人じゃないの!?ふ、二人!?男×男だったら最悪だなぁ。可愛いんだろうけどね。魔王はスパッとすぐにいなくなってしまった。
「お、お名前は? 」
「サン。」
「さりゃ。」
良かった。かたっぽは女の子だ。いや、もしかしたら男かもしれないけど。可愛い。ほっぺたに手を添えてこっち見てくるのはほんとに天使にしか見えない。
「サン君とサラちゃん?よろしく。私はユラギです。」
「あーい! 」
サラちゃんは私とハイタッチしてくれる。可愛い。そしてサン君はと言うと…
「先生。」
ほんと、やけに大人っぽいというか…私の元にやって来てくれた。
「サラじゃなくてセイラだから。」
そう言われた。すごい恥ずかしい。物凄く。
「あ、ありがとう。ごめんね、セイラちゃん、よろしく」
「?あーい」
「…よろしくお願いします。」
丁寧に挨拶してくれるサン君と、まだまだ子供って感じのセイラちゃん。どっちも可愛い。この二人が魔王の子供なのかぁ、愛されてるんだろうな。
「ナギ先輩!何しとけばいいで…」
先輩は魔王の奥さんらしき人と話をしていた。…いつの間に。ほんと魔王って怖い。私は一応二人を子供部屋に連れていき、おもちゃを片っ端から取り出した。なにが好きかわからないからね。
「(^o^)!」
セイラちゃんは勢いよく走り、部屋に出していたレ○ブロックへと向かった。一方サン君はと言うと…
うん!英・才・教・育⭐魔王家、素晴らしい。この曲は…なんだろ、初めて聞いたけど、なんだか懐かしいような、気持ちいいような。
「バァァァン!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
セイラちゃんがレ○ブロックでつくった電車を私のすねにぶつけてくる。痛い…。骨、折れてないかな( ´∀`)。痛みが続くが、私はセイラちゃんを大人しく座らせた。
「へへっw」
あぁ、この嫌~な顔もなんか許せちゃう。レ○ブロックはさっきの衝撃で欠けたり折れたりしてるけど、あとでア○ンアルファでくっつければ良いし。魔王家、良いかも。
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