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これはどうしたものか。
いや、前からではあるんだけどね。
ソファーに座っているのだけど、膝上には元基が当たり前のように座っている。
何なら先ほどまで僕の膝枕で寝ていた。
いい?ともなく、気づくと自然にそうなっているのだ。
人見知りなのに1度気を許すと距離が近すぎて心配になるくらい。
通常の成人男性には居ないタイプではある。
ワンコのように元気で悪戯するし、自分より可愛いらしい位置にある頭がちょこちょこ動き回る様子は母性本能を刺激されてしまうのかもしれない。僕は男だけど。
「涼ちゃーん」
呼び方すらどことなく甘えた声音なのを本人は気づいてないのか。
「ねぇねぇ…そろそろ動いていい?」
「あ、それでさぁ」
聞こえてるのに聞こえないフリで別の話題を話し始める。
「これだよ…」
まだ座っていたいらしい。
すでに甘えてるのがダダ漏れなのに、恥ずかしくて言葉に出来ない不器用さがずるいんだよなぁ。
つい仕方ないと受け入れてしまう。
周りは僕らの性格や習性を程よく知っているスタッフばかり。
普段どんなにキツくても大丈夫ですと言う元基が甘える姿を、あたたかい眼差しで笑いつつ仕事を進めてくれている。
若井なんてこれが通常と言わんばかりに気にもせず、同じソファーの反対側に座りながら新しいギターのフレーズの練習に集中している。
僕もよく変わってると言われるけど、これ普通ではないんだろうなぁ。
まぁ皆が優しい顔してるからいいか。
そんなことをボンヤリと。
独り言で頭を整理しながら過ごしてたら、元基と若井から大丈夫?とちょっと本気の混ざる目で心配された。 ひどい。