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キーボードとはなかなかに移動しにくいポジションで。
最年長の大人ですからね。解ってますよ。
でもたまに。
若井や元基がかっこいい絡みをしてたり、ステージを動きまわる姿が羨ましい時もある。
ほんのちょっぴり寂しい時も。
ちょっぴりですよ、最年長ですから。
そんな風に自分を言い聞かせてると、気付けば若井が隣に来てギターをかき鳴らして笑ってたり。
元基がごめんね♪というフレーズを歌いながらお辞儀しに来たり。
なんだかんだ満たされて、2人とニコニコしてしまうんだよねぇ。
そういや、コードが合ってるか不安になって毎度見つめてくる元基にはつい笑ってしまう。
普段は同級生ということもあって若井との絡みが多いのに、甘えたい時や不安な時に頼られてるのを感じる。
なんか嬉しいよね。
そんな風にまたホワホワ1人で呟いていたら、目の前でカツカツ箸を動かして食べている小動物ならぬ元基が…
あれ?
確かマネージャーが僕の前に置いた弁当…
「おおい!あぁ!ちょっと、全部食べないでよおお」
慌てて叫ぶ僕の顔を、楽しそうにきらきらさせたお目々で見上げて一瞬止まるも。
無言のまま弁当に向かい直って、素早い動きで食べ始める。
「あああぁ…」
憎めないこの生き物を止めることも出来ず、見守るしか出来ないのだが…
実はもう手を打ってはいる。僕とて、お馬鹿ではないのだ。
マネージャーへ目を向けると、大丈夫です。言われた通りもう1個あります、そんな頼りがいのある視線が返ってきた。
お弁当を選ぶ時に迷う元基を見ただけで理解し配慮する辺り、実はホワホワしてるだけじゃないんですよ。最年長ですから。
ちょっと誇らしいような、保護者のような気持ちで居る僕なのです。