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-プロローグ-
俺たちは
多分、最初からどこか壊れていたんだと思う。
誰かの怒鳴り声
誰かの嘘
沈黙
無関心
それぞれの家で、 それぞれの夜に、
独りで泣いて、朝は何も無かったかのように
「おはよう。」 と笑っていた。
本当は全部気付いていた。
誰がどんな風に傷ついているかなんて
わざわざ言葉にしなくても分かった。
同じような場所で、同じように痛かったから
それでも俺達は友達だった。
壊れた心を隠したまま
ぎこちなく笑って
少しずつ、少しずつ
何かが剥がれていく音なんて気付かないふりをしていた。
-いつか全部壊れるかもしれない。-
それでも今は、まだ。
誰かの隣にいる瞬間だけがほんの少しだけ
俺たちを人間のままで居させてくれた。