※先輩後輩
※学パロ
長らくお待たせいたしました💦
大変申し訳ございません🙇♀️💦
今回はほのぼのです💕
kn「ショッピって猫みたいよなぁ〜」
syp「……なんすか、急に」
耳にはドライヤーの大きなエンジン音と、それに負けない先輩の威勢の良い声が同時に入って混雑状態を貫く。
現在、ドライヤーなんて普段せんけど先輩に無理矢理やらされている。
ドライヤーも、先輩も。どっちもうるさい。どっちも。
kn「あー、ほら。猫って体洗ったら癖毛?が真っ直ぐになって細くなるやん??」
syp「あー、」
どこかの画像で見たことあるような気がする。毛がふわふわしている動物によくある、Twitterでたまに話題になるくらいの豆知識的なやつ。
あれ、けどそれって犬やなかったっけ……猫やった気もするけど……、まあええか。
真っ直ぐに伸びた癖の無い俺の髪に、先輩の手が触れる。
先輩の髪の毛は俺と違って元々跳ねているようで、いつも通りほどよく癖を作っていた。
syp「……先輩って元々なんすね、髪」
kn「ん、まぁね〜!」
先輩は八重歯をチラつかせて無邪気に笑う。鏡越しでも、やっぱりその笑顔には見惚れてしまう。
髪の流れに沿って指を滑らせる先輩の手がくすぐったい。意識を別のものに向けようにも、どうしても先輩が気になって仕方ない。
どこか恥ずいし、むず痒い。
早く終わってくれ……そう願うしかなかった。
kn「ん、終わり〜」
しばらくしていると、ゴーっという音が鳴り止んで先輩はドライヤーを片付け始める。
恐らく用が終わったようで、俺は洗面所から出て行こうとする先輩に続いてリビングに戻った。
先輩はキッチンの方に消えていく。
俺は先ほどと同じようにソファに座り、手癖で近くにあったクッションを抱きしめてボーっとする。
ぼやぼやと光る照明に、影を映し出すTVに、頭は適当な背景に囚われて俺自身が世界に溶け出すようであった。
kn「……やっぱ猫みたいよなぁ、」
syp「……え?」
突如現実に引き戻され肩が震える。
湯気の立つマグカップを両手にこちらを見ながら、いつのまにか帰ってきた先輩はこちらを見下ろしていた。
syp「……どこ見て言ってんすか、」
kn「いや……んー……、行動の全部?分からんけど」
机にマグカップを置いて、先輩は隣に座る。マグカップの中身を確認すると、そこには甘そうなカフェオレが水面を揺らしてある。
飲もうと試みてみるが、熱すぎて舌がヒリヒリしてしまう。
kn「ほら、猫やん」
syp「猫と猫舌は違うやろ」
えー、と小さく文句を口にしながら、先輩もマグカップに口をつける。
kn「……けどお前はなんか猫っぽいやん。いっつも怠そうにするんに、裏では可愛いとことか」
……この先輩、すぐ可愛いっていうやん。なんなん。
いや、怠そうにしてるっていうかほんまに怠いだけやし。クソ先輩いっつも絡んできてめんどくさいし。そんなん適当に対応するに決まってるやろ。それで、裏では……
……
syp「は、ちょ、???」
kn「ん?」
先輩は満更でもなさそうな顔をする。
裏??裏ってなに????前の体育倉庫の件のこと???
syp「え、せんぱ……う、ら、?」
kn「ん?いっつもお前ネットやったら『コネシマ先輩ここはどうするんですか〜?』ってかわい……」
ニヤニヤと嘲笑うようにしていた顔は、綺麗に無表情へと成り変わり、いかにもやべ、と言いそうな表情でストップする。
syp「ネッ……、」
kn「あー、……あ〜、、?」
え、何どゆこと??ネット????ネットってあれやんな????ゲームのことやんな???え、もしかしてこの先輩最初っから分かっててやってたん???え???それに先輩がさっき言ったのってかなり俺が初期の頃よな??え??あの時から???優しいネッ友できたーって有頂天なって喜んでたあの時から????え?????
kn「……」
syp「……先輩????」
否定してもらおうにも先輩は何も言わず俺の言葉を待っているようで、俺もどうしようもなかった。
syp「先輩???????」
kn「……やー、?ね??」
syp「何が『ね?』なんすかッッ!!!!!」
わざとらしくマグカップをテーブルに叩きつける。
syp「え??初期の頃から俺やって分かってて接してたんすかッ!?!?!?分かってて会おう、とか言って分かってて俺に恋愛相談してきてたんすかッッ!?!?!?」
kn「や、やー……?」
……なんも否定せんやん、全部事実なんかよ
syp「え、?じゃあ俺が先輩に恋愛相談したんも、全部分かっててやったんすか、????」
というか、数々の奇行が掘り起こされて体の熱は止まらず上がっていく。
kn「……まあまあまあまあまあ」
syp「どこがまあまあなんやしッッ!!!」
やけになってゴツン、と先輩の腹筋あたりに頭突きする。けど運動部エースに帰宅部が勝てるはずなく、俺の頭だけがジンジンと痛む。
syp「ぃ゛〜……」
kn「……あー、よしよし大丈夫ですよー」
syp「なにがッ!!あー!もぉ!!ばか!!カス!!!心無し!!!!」
必死で反抗する俺に、先輩は面白がりながら俺の頭を撫でる。結局抱きしめられる形になって、俺が下へと回ってしまう。
どうやら先輩は全て分かった上での行動だったらしい。つまり、俺は手のひらでくるくると踊っていただけなのだ。
……なんでもっとはやく気づけんかったんやし、過去の俺。
syp「……はぁ、」
kn「……疲れたん?」
syp「……当たり前すよ、今日色んなことありすぎでしょ、」
息を吐くと先輩は愛しむようにこちらを見下ろしながら、猫を扱うかのように優しく俺の頭を撫でる。
kn「じゃあ、もう寝よっか。日付変わりそうやし」
syp「ん、え?」
kn「布団敷いてくるわ」
どうやら拒否権はないらしい。
先輩は立ち上がって、二階へと続く階段を登る。また、俺もそれに続く。
夜はまだ、終わっていない
はい!お疲れ様でした〜!!
sypくんはネコです。猫耳を生やさせましょう(??)
閲覧ありがとうございました!
コメント
22件
わぁぁぁぁ ほんと最近(1週間くらい)開けてなかったです…… ほんと最高です!!!!!!!! めっちゃ可愛すぎです!!!! 最初の頃からknさんの手の上で転がされてたみたいなやつめっちゃ好きすぎです💕 sypくんが猫なのはもはや共通認識ですよ!!(??)
最高ですわ、、、続き待ってます!
うわうわうわわわ可愛すぎしぬ syp君はやっぱネコだし猫っすよね! sypは黒猫のごとくツンツンツンデレって言葉があるくらいですしね! 神作だぁ…