今万事屋は、突如として命を狙ってきた攘夷志士を真選組と共に相手取っている。
「ったくなんでおめーと!人数多いわ強いわで…。」
真選組副長、土方と背中合わせに武器を構える。
土方と銀時は周りを見回し。
「今までと全く同じだと言いたいのか?土方ァ〜残念だな。天人がいる。」
「仲間排除しようと!?バカ!?アイツバカ!?」
と異形を見てつっこむ
だが相手は中々に強く、【白夜叉】と呼ばれ恐れられてた彼と現に【鬼の副長】と呼ばれる彼でさえ仲間がいなければボロボロである。
これは過去の話であり、現在は彼の部下、志村新八と神楽の監視下の元療養中である。
「銀さんでも苦戦するなんて…相手とても強かったんですね〜…。」
「銀ちゃんも人間、ボロボロになるネ。バカかお前」
_…このままじゃダメだ。また【あの時】見てぇに失っちまうわ…。
「あっ、酢昆布買い直さなきゃ!私外に行ってくるネー!」
神楽が外に走って出ていく。
と新八は気合いを入れ出す。
「…なぁぱっつぁん?」
声をかければ振り向く姿はなんと戦闘態勢。
武器も木刀出なく刀である。
「ん?どうしました?」
「…なんでそんなに気合いを?」
すると新八は瞳孔を開かせ、銀時を睨む
「あなたを抜けさせないためですよ。」
_にしても刀は必要なくない?それにその格好。何それ。
新八はドカりと座り込む。
_…それに、大抵狙われんのは俺で、こいつらには関係ねェ…危険な目に合わせねぇ為には…。
そう考え込み、ひとつ思ったことがある。
「…ま、まぁこんなのダラダラ流したくねぇから夜までカットしようよ。もう展開用意できてんだし?」
鼻をほじりながら答える銀時に新八は血管浮かび上がらせ
「おーなんだコラァ!アンタ何メタいことを!アンタだけでも上から怒られてしまえ!」
どうやらここでは読者が1番上なようだ。
まぁそんなことは置いといて夜までカット。
著者が『やり取り考えるのめんどくさい』との事で。
「酢昆布もう無くなったネ今日買ったのに…」
神楽が酢昆布の箱を逆さまにしながら話す。
「銀ちゃん〜依頼で5億貯めれるアルカ?」
「何?神楽は俺を過労死させたいの?5億なんざ何百年あっても足んねぇよバーカ。」
とにかく今は夜の10時だと考えてもらおうか。
「ガキどもは早く寝ろ。ぱっつぁん、洗いもんは俺がすませておくから」
すると台所から顔を覗かせ。
「いいですよ、傷口に染み込んだら… 」
「埋まったからいい。」
と言うと新八は少し迷ったあと。
「ま、まぁそこまでなら…」
と銀時の見張りのためだろうか、帰らずにソファーに寝転ぶ。
洗い物を済ませ、 電気を消し、寝たのをじっくり確認した後、タンスから銀時が今まで密かに貯めておいた給料を3等分に分け、神楽と新八の枕元に置いておく。
そして、最後の金を家賃に使い、万事屋を出る。
朝になり、目を覚ます。
すると枕元を触れば厚い封筒が。
手に取り見てみれば給料と書かれている。
_給料…?銀さんが…?
「新八ーーッ!何アルカ!これ!」
と神楽が自身の寝間から顔をのぞかせる。
「銀さんが置いてったみたいだけど…随分厚いな…何ヶ月分だ?」
「…やな予感するネ…。言いたくないヨ…。」
神楽の言うことも少しは分かる。
新八自身もあの人の事だと思うと、考えたくない。
「探しに行こう!」
新八は立ち上がり提案する。
と神楽も拳を握り締め。
「おうヨ!あの天パ、見つけたらただじゃ置かねぇアル!」
と完全にやる気だ。
1人目神楽サイド猿飛
「オイ、納豆女ァ、銀ちゃん見てないアルカ?朝からいなくて。」
すると猿飛は考え込み
「銀さん居ないって大事件じゃない!!なんで言わないのよ!」
「居ねぇからダロ」
神楽の方を掴みグワングワンと揺らし声を荒らげる姿には神楽も呆れた。
1人目新八サイド真選組
「万事屋?見てねぇな。つかあいつがどーなろうが知ったこっちゃねぇ。」
「…は、はぁ」
ファミレスの席に座る土方が土方スペシャルなる犬の餌を食べている。
「旦那のことだから甘味処とか?」
「見たんですけど居なくって…」
「んじゃ知らねぇ。」
ぱっと諦めた。
2人目神楽サイド吉原
「銀さんかい?見てないねぇ…」
「吉原には来とらんな。それに、アイツの事じゃ、どうせろくでもない」
でも煙管を吸う月詠の姿には何故か…いやほんとに何故か寂しさを感じた。
「月詠姉寂しそうだね!」
「ちっ、違う!」
ここも無理か。
2人目新八サイドお妙
「銀さん?見てないわ生憎、スマイルには来てないわね…。」
お妙が自身の頬に手を当てながら考える。
と机下から
「万事屋の事だ!どーせ競馬とかだろう!」
と出てきた途端お妙からゴキブリを踏むかのように静かに踏んだ。
3人目神楽サイドそよ姫
「銀ちゃんさん?あー!あのもじゃもじゃの!」
「そうネ!見てないアルカ?」
「うーん、城には来てませんね。」
3人目新八サイド桂
「銀時か?見てないな。俺はずっと歌舞伎町闊歩しているが。ここは人が多いからな。」
幕府から逃げる彼は人混みに身を隠している。
「気づいたら給料だけを置いて…。」
「あの金にうるさい銀時が?」
ま、当たり前な反応だろう。
新八はそう思い頷く。
4人目神楽サイド坂本、陸奥
「ん?金時が?あやつのことじゃき!迷子じゃろうなぁ!あはっあははは!」
陸奥が坂本の耳を引っ張り。
「おまんと一緒にするな。」
流れに飽きて酢昆布を齧る
「すまんの、力になれんくて」
「いや?大丈夫ネ!あのバカが迷子になるから悪いのヨ!」
その後も新八達は様々な所を巡りに巡った。
「…なあ、先生…先生は守りてェもんがあった時、自分のせいで迷惑がかかると思った時。どうするよ。」
すると、まるであの人が答えたように風が吹く。
「…ま、悪役になるっきゃねぇな…。」
自分を悪に仕立て、完璧に縁を切り、迷惑をかけず、1人で守りたいものを守るという方法だ。
「いっちょ悪役演じてくる。待ってろ〜先生。腰抜かすなよ。」
_顔の上半分しか隠れないがまぁいいだろう。髪型もズラを被ったし服もま、上の黒服脱いどきゃいいか。
「行ってくる。」
山を降り、街を歩く。
黒いズボンの上に着物、お面にズラ。
完璧なる別人だ…と思うが、服は完璧に変えなければ。
ということで購入した黒い着物だ。
「あら、銀さんまだ見つかってないのね」
「はい、色んなところ聞きましたが…姉上も情報集まりました?」
「全くね…。」
お妙の『銀さん』というワードに過剰に反応し、何故か落ちてたバナナの皮を踏み一回転しずっこけてしまう。
しかも、頭から
「ぶべらばっ!」
と声が漏れてしまい新八達にバレる。
「何アルカ?アレ」
「神楽ちゃん?見ない方がいいわ。」
「そうだよ、お面かぶってずっこけるとか怪しいったらありゃしない。」
_…あれ、意外と騙せてる?
立ち上がり砂を払うと後ろから車のような音が聞こえてきた。
「あっ!あぶない!お面の人!」
と新八が叫び後ろを振り向くとパトカーに轢かれた。
「ぐぶるぁっ!」
またもや宙で舞着地する。
今度はカツラとお面が取れた。
だが銀時はそれに気づかず。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、まぁ…ありがとな。」
と差し伸べられた手を取り起き上がる。
と“メガネの人”は目を見開き。
_あ?何見開いてんだ?コイツ…。
「ぎ、銀…さん…?」
「「え?」」
メガネの人の言葉に‘’女2人目”が反応する。
銀時が自身の顔と頭を触るとやっと気づいた。
銀時はすぐに自分のだと思ったズラとお面を掴み立ち去ろうとするが掴まれる。
と女2人も銀時を囲むように来る。
「…!!銀さん…!」
「ホントだ!銀ちゃんネ!」
危険だと銀時は感じた。
そこへ、‘’ゴリラっぽい人”も来た。
「跳ねられた人ー!大丈夫ですかー!」
幸い近藤だった。
「クラクション鳴らせばよかったですか!」
プーとクラクションを鳴らす。
「今鳴らしても意味ねぇだろ!これ!」
メガネの人がつっこむ。
「あっお妙さん!奇遇ですねー!どうですか?俺とドライブでも…」
と言った途端顔面に蹴りを食らう。
「ゴリラはいちいちうっさいんじゃ!それにこちとら取り込み中なんだよ!」
とポニーテールの女性キレ散らかし、ゴリラっぽい人は見回りの途中だったのかパトカーに乗り。
「じゃ、じゃぁまた今度誘いますので〜!」
ゴリラっぽい人が車を走らせる。
「二度と来んな!」
だが、何故か早く立ち去らねばならない。
「…気にかけてもらったのはありがてぇが、こっちは急いで行かねぇと…」
とメガネの手を振り切り、屋根を伝い走る
「あっ!銀さん!」
「ん?オイ山崎、アレ…」
と土方が助手席から前を指差す。
「ん?…あー新八くん達ですね。一体どうしたんでしょうか。」
すると土方は窓から顔を乗り出し、ロケランも持つ
「副長…?何…しようと?」
「おらおらー!退かねーとロケランぶち込むぞー!」
「アンタなァァァ!」
山崎は急いでパトカーを降り、新八に駆け寄る。
「大丈夫?気分は?」
と声をかけると神楽、新八は泣きそうな顔をしていた。
お妙は山崎と共に道の端に寄せておいた。
「チャイナさん、新八くん、何があったんだい?泣きそうな感じだけど。」
新八は今にも泣きだしそうな声で
「ぎ、銀さん…ッがッ…どっかに行っちゃって」
絶え絶えに言う姿は山崎自身見てられない物だった。
「つ、辛いんなら無理に言わなくてもいいよ!旦那がどっかに行っちゃってか!」
新八は頷き。
「俺は見てないな… 」
すると後ろから土方が
「山崎!早く運転しろ!」
「アンタ人の心無いの!?人助け中!」
「早くしねぇとロケランぶっぱなすぞ。」
と山崎の方にロケランを向ける。
「ひぃぃ!ま、まぁ旦那見かけたら言うよ!それじゃ!」
山崎は急いでパトカーに乗り車を出す。
屋根の上に乗り周りを見渡す。
すると1台のパトカーが走っている。
_警察…っつーことは幕府のか…。あっ、高杉のヤローからヤクルコ頼まれてたんだった。
頭をボリボリ掻く
「アレ…っつーかなんで俺こんな格好してんだっけ…」
「はぁ…お妙さんに振られっぱなしだこりゃ…」
そう頭を抱えながら運転をする、 と。
外からとても大きな音が聞こえ近藤の乗るパトカーが横回転にスリップする。
「ギャァァァァ!?!?」
外に出てタイヤを確認すると、ひとつパンクしていた。
誰がやったのかと考えていると。
「あの〜すみませ〜ん、コンビニってーどこ?」
と聞き覚えのある声が。
声のした方を向けば万事屋の銀時が立っていた。
「よっ、万事屋ァ!?」
「は?万事屋?ンだそれ…。」
_な、なんでェェエエ工!?
「し、新八くんとかは…」
「しらね。」
何が起きるのだろうか、このまま。
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