12月9日。
呪術高専・訓練場。
集めた呪具を前に、呪術師たちは慎重にその力を確かめていた。
伏黒「……これは?」
乙骨「“嵐ノ顎”……風を切り裂く大剣らしいね。」
パンダ「こっちは“夜哭”って短刀だな。持ち主が死ぬと夜泣きするらしい。」
加茂「呪具の癖が強いな……。」
九十九「まあ、呪具ってのは元の持ち主の執念や呪力がこびりついてるからね。クセが強いのは当たり前。」
歌姫「どれが一番役に立ちそう?」
乙骨「全部強力だけど、特にこれかな。」
そう言って、乙骨が手にしたのは――「獄炎ノ牙」
黒ずんだ刀身に、赤黒い呪力が纏わりついている。
伏黒「なんだそれ?」
乙骨「宿儺の炎に耐性がある刀だってさ。」
全員「!!」
パンダ「それ、超重要じゃないか!?」
九十九「でも、呪具は扱う人間を選ぶ。乙骨、お前が持つのがベストなの?」
乙骨「試してみるよ。」
乙骨が「獄炎ノ牙」を握った瞬間――
刀が不気味にギギギ……と音を立て、乙骨の手に絡みついた。
乙骨「っ……!!」
加茂「大丈夫か!?」
乙骨「大丈夫……だけど、これ……“使い手を試してる” みたいだ。」
乙骨は刀を振るい、その力を確かめることにした。
「試し斬りの相手は……パンダ!」
パンダ「おい、待て待て待て!!」
伏黒「パンダなら死なないし……ちょうどいいな。」
パンダ「いや、そういう問題じゃ――」
ズバァァァン!!!
乙骨が「獄炎ノ牙」を振るった瞬間、刀から漆黒の炎が飛び出し、パンダに直撃。
パンダ「ぎゃあああああ!!!」
加茂「燃えてる燃えてる!!」
九十九「やっぱり火力ヤバいわね。」
乙骨「いや、今のは手加減したつもりだったんだけど……。」
パンダ「手加減してこれ!?」
歌姫「……これ、宿儺に当てたら効きそう?」
乙骨「……たぶん、効くと思う。」
伏黒「決まりだな。これはお前が持つべきだ。」
乙骨「うん。これで宿儺を斬る。」
全員が頷く。
その頃。
宿儺は再び酒を飲んでいた。
宿儺「……ククク、俺を斬る刀、か。」
盃を置き、立ち上がる。
宿儺「面白い。」
「12月25日……楽しませてもらおうか。」
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