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brnk 自分用
微R キャラ崩壊 nkさんの無性愛者表現あり
「ねぇぶるーく」
「俺ら、これのために会うのもう最後にしよう」
「え、」
事後、2人で横たわり余韻に浸っている時に突然彼がそう言い出した。
あまりにも突拍子のないことで、唖然とする。
どうして、肩を掴みそう問い詰めることが出来たならどれほど良かっただろうか、
「…そっか」
「気が変わったのかな?」
「……うーん、」
そう含みのある言い方で、僕とお揃いの、けど少し明るい茶髪を意味ありげに触る彼。
なかむとは元々親友だった。でもいつからか、彼の言動で一喜一憂してしまうことで気付いた。
僕は彼に恋愛的な感情を向けている。
彼が “無性愛者” であることなんて、彼に1番近い立場である僕がいちばん知っているのに 。
それでも己の心には抗えなかった。気付いてしまったらもう終わりだった。
想いを伝えて振られるのなんて目に見えてわかるし、振られた後もきっと会うのは億劫になる。
僕はそれが嫌だった。それならば彼に1番近いであろう立場の親友のままでいい。
だから僕は隠し続けた。己を守るために。
でもある日
「俺を抱いてみない?」
と、言われた。
最初はもちろんびっくりしたけど、あとから考えてみれば
彼も無性愛者とはいえひとりの人間だから、溜まるものもたまる。
しかし彼の性格上、面白そうなものを非常に好むため、僕にそういう提案をしてきたのだろう。
恋人じゃないけど、性欲処理のために身体を合わせる。
そんな関係、虚しくなるだけなのに。
それでも表面上だけは彼とそういう関係になりたい。彼の素肌に触れたい。きっと、この機会を逃せば次はない。
だから
「いいよ」
「僕男の体気持ちいいって聞いたから、ちょっと気になってたんだよね〜ん」
そう言った。あくまで明るく、好きだと気付かれない言い訳を。
それから僕らは、学校帰りに小さなホテルで身体を重ねた。
彼の見たことの無い、底知れない快楽に溺れ蕩けた表情、僕よりひと回りほど小さい体躯。細くて白くて、やわらかい肌。
いい所を突けばいい声で鳴き、果てる時には身体をホールドして、一際よさそうに悦ぶ。
それを見れば、もう自分の恋心に言い訳は出来なくて、さらに好きになっていく
もう彼の全てがどうしようもなく大好きで、どうしようもなく悲しかった。
そしてお互い初めてとはいえ、異様に体の相性が抜群だったから
それからも 何回も何回も、なかむは己の性欲を発散するため、僕は大好きな彼と一緒になるために身体を重ねた。
だいすきって、愛してるって、彼に言えたらどれほど良かったかな。
そうやって過去を思い出していれば、急激に感情が昂り目頭が熱くなってきた
ダメだ、絶対泣いちゃいけない
この感情を悟られちゃいけない。だから彼から目を逸らして、きつく結ばれた口元を隠す
「すこし、さ、この関係に疑問が出てきたんだよ」
「俺ら、ただの友人なのにこんなに色々やってさ、変だなって」
そう、だよ。ずっと僕も思ってた。変だよ、こんな関係。
苦しいよ、好きで仕方ないのに、絶対こんなこと言えない。
君が好きだからこそ、言えない。
「……っ、」
「そう、だよね」
発した言葉は震えまくってた。所々声が裏返って、嗚咽が漏れる
「…ぶるーく? 」
「泣いてるの……?」
そう言って近づいてきた彼から顔を逸らす
「ほんと、なんでもないから」
「分かってたよ、ずっと、なかむは無性愛者だから、」
これ以上話したら、ダメだ。
目の縁が濡れていく。
「…ごめん、なかむ、」
でも、言わなくちゃいけない。
もう隠したくないから、これだけは面と向かって言う。
口元が震える、声がうわずる、手から汗が吹きでる
ずっと、隠してきたこと
「ずっと…大好きだったよ、なかむ」
彼に面と向かってそう言った瞬間、一筋の涙が目元を伝う。
その瞬間枷を切ったように涙が止まらなくなった。
「ッ…ごめん、ほんとに、僕、最低だよ」
「なかむはさ、そんな下心のあるやつと、一緒にいたくなかったよね、っ、?」
「え、ぇ…ぶる、_」
「言わないで、」
「……いいよ、ごめんね、なかむ、…」
…もう気持ちを伝えられたから、いっか
最低な終止符の打ち方だけど、きっともう悔いは無い
…でも、
でも、そんな悲しそうな顔で僕のこと見ないでよ、
また期待しちゃうじゃん。絶対有り得るわけが無いひとつの可能性を
「…っ、僕、帰るね」
これ以上ここに居ちゃいけない。また、最低な感情を彼に向けることになる
「今日はありがとう。じゃあね」
いつもはまたねって言うけど、きっと今日が最後だから。
あぁ、好きって言ったこと、彼の中でずっと呪いのように渦巻くんだろうな
恋愛になんて興味無いはずなのに、友達だと思ってたやつから好きなんて言われてさ
ほんとに、呪いでしかないよな、こんな言葉
「…お金は置いてくから」
「腰の負担すごいだろうし、ゆっくり寝てね」
「余った分はなかむが受け取って。」
そう言ってドアに手をかけ、外に1歩を踏み出す。
これで終わりなんだ。何もかも。
刹那
「待って…っ!!!!」
そう言って服を掴まれ、強制的に部屋に戻される。
振り返れば、涙を流す彼がいた。
「話はまだ終わってないから…!!!」
…どうして、
どうして君が泣くの、
なんでなかむが、
「言ったじゃん、”このため”に会うのもうやめようって」
「俺たち、こういう関係になってからずっとホテルでしか会ってなくてさ、一緒に買い物行ったりご飯食べに行ったりしなくて…」
「もっとぶるーくと一緒に遊びたいの!!」
「っ…それは……」
「友達として、じゃん」
「違う!!!」
「違くない…っ!!!」
つい、ムキになって大声を出してしまった。びく、と肩が跳ね上がり、震えるなかむ
その姿を見て、自分の最低さにまた呆れて俯く。
「僕はもう想いを伝えちゃったから、もうただの友達っていう関係じゃないんだよ」
「…ごめん、終わりにしよ」
「違うって…聞いてよ…!!」
「俺、気づいたんだよ、」
「自分の気持ちに。」
え、そう声が漏れる
「…それ、どういう意味?」
「あの、ね…落ち着いて聞いて欲しいんだけど…」
「こんな関係になってから、ぶるーくのことをなんか意識しちゃうようになって…っ、」
「その…シてる時の顔付きとか…その、仕草、とかが…なんか、ドキドキして…」
そう喋りながら、片目を覆い隠している長い髪の毛をくるくると回し、顔を真っ赤にするなかむ。
「…気付いたら日常生活でも無意識的に目で追っちゃって……」
「ぶるーくの些細な行動でも、なんか…ドキドキする、というか…」
「好き、って気づいたんだよ」
驚いて、彼の顔を見る
「それって…」
「うん、」
「俺ら、知らない間に両思いになってたね」
「で、でも」
「性欲を発散するために会ってたんじゃなくて…?」
「最初はそうだったよ、けど…」
その後は分かるよね、というかのような目で訴えかけられる
「つまり…俺が何を言いたいのか、って言うと」
「セフレみたいな関係じゃなくて、正式に恋人にならないか…ってこと、」
あまりの衝撃に、足がすくんでその場に座り込む。
「たしかに…馴れ初めは最悪だった。…けど、俺はちゃんと今、君を愛してる」
「ぶるーく、俺と付き合ってください」
未だ片手はなかむにギュッと握られたままで、どんどんお互いの体温が上がっていることに気づく。
「ぼ、ぼく…」
「…っ、じっかん、ない…」
また、涙が溢れ出す
今度は悲しみの涙じゃなくて、嬉しい時の涙。
ポロポロと頬を伝い、顎で落ちる。
なかむと、付き合えるの、?ずっと夢見てたことが叶うってこと?
「…えっと、それで…返事は」
「そんなの断るわけないよおぉ…!!」
「僕もなかむのこと大好き、ずっとずっと大好きだし愛してるっ、」
「よろこんで…!!!」
そう言うと、彼がパッと明るく笑顔になって、僕のことを抱きしめる
「好きなら言ってよ、」
「僕ずっと悲しかったんだよ、?」
「会う度にさ、こんなことしてるけど本当は恋人じゃないってことを痛感させられてさ、虚しくて、辛くて…っ」
「ごめん、ごめんね、悲しい思いをさせて」
「でもこれからはずっと一緒だよ、ずっとずっと一緒だから、」
「うん、うんっ…!!!」
すごく嬉しかった。身体がポカポカして、足りなかったパズルの1ピースがやっとはまった感じ。
やっと救われたのかもしれない。
「で、さ…」
「キス、…したいな、」
「キス…?」
キス、それは
僕が意地でも彼にやってこなかったこと。
薄れていく友達という境界線を、補おうとして僕が避けてきたこと
でも今ならできる
今日から恋人、だから。
「いいよ、」
そう言ってあつい口付けを交わした
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ノベル、チャットノベルどちらでも大丈夫です。
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