珍しく奏斗さんと雲雀さんの物語を書きます!
結構長めですが、許して下さい…!
作中に「アッサム」って言葉が出るんですけど、それは紅茶の1種です!
※捏造が入ります。
苦手様・地雷様はお引き取り下さい。
🍝🍷「良しっ!開店の準備OK!」
綺麗に整えられた店を見て、誇らしげに笑う。
この店は僕が経営しているカフェ「Cafe Zeffiro」だ。
裏社会から足を洗い、青年実業家として新しく人生を歩み始めた。
カランカラ〜ン…。
♦️☕️「よお!奏斗!」
🍝🍷「お、ひばじゃ〜ん!」
🍝🍷「今日は早いね!」
♦️☕️「『今日は』ってなんだよ!?w」
🍝🍷「あっははwごめんごめんw」
♦️☕️「昨日、在庫枯らしちゃってさ〜、それで買い出し行ってきたんよ! 」
🍝🍷「だからいつもより少し早いってわけか!」
♦️☕️「そ!」
そう言いながら、雲雀は持ってきたダンボールから品物を幾つか出して、倉庫に片付けていた。
🍝🍷「…あ!」
♦️☕️「ん〜?どうかした〜?」
🍝🍷「これ、最近有名なアッサムのティーバックじゃない?」
♦️☕️「お!流石!情報が早い! 」
♦️☕️「奏斗も飲むか?」
🍝🍷「え!良いの!?」
♦️☕️「ええよ〜!」
♦️☕️「片付け終わったら淹れるな〜!」
🍝🍷「は〜い!」
♦️☕️「ういっ!お待たせしました!」
🍝🍷「うわっ、色綺麗〜!」
♦️☕️「やろ!? 」
♦️☕️「この透き通った赤褐色が良いんよな〜!」
🍷🍝「では!いただきまーす!」
♦️☕️「召し上がれっ!」
茶葉のほのかに甘い香りと、ほんの少しの渋みが口の中に広がる。
🍝🍷「うわ、美味しい…。」
♦️☕️「そりゃ良かった〜!」
♦️☕️「…って!!!!」
♦️☕️「開店10分前じゃん!?!?」
♦️☕️「買ったもの整理しなきゃ〜!」
バタバタと品物を棚に整理していく雲雀。
…少し面白くて笑ってしまった。
それにしてもこの紅茶、何かを思い出させる。
雲雀が言った「透き通った赤褐色」…。
…あぁ、そうだった。
あの日の夕焼けに似ていたんだ。
僕がまだ5歳とか6歳とかの幼い頃。
家の窓から突然入って来た幼い雲雀と出会い、意気投合した。
理由は本人も分からないらしく「な、何してるんだ!」と僕が問うと「え?なんでだろ。てか、ここどこ!?!?」と発する程だった。
だが、それから意気投合し、僕らは次第に仲良くなっていった。
♦️☕️「なぁ、かなと。」
🍝🍷「ん?なぁに?」
♦️☕️「ずーっとこんなところにいて楽しいの?」
🍝🍷「ん〜……。」
正直、楽しいとは言えなかった。
僕が行動する時は、黒いスーツにサングラスを身に纏う人がいつもくっ付いて来る。
なんだか見張られているようで嫌だし、お父様はいつも「お前は代々続く風楽家の息子だ。」と言うんだもん。
僕が遊んでいると「未来のためにも、勉強や訓練をした方がそんな遊びよりよっぽど良いのにな。」と言われた事がある。
なんだか良く分からない、重いレッテルを貼られたような気がして、正直少し嫌だった。
🍝🍷「たのしくはないし、だからといってきらいってわけでもないよ!」
♦️☕️「そか…。」
🍝🍷「でも、黒いふくをきてサングラスをかけた人たちがいつも僕をおっかけ回してくるんだよね〜…。」
🍝🍷「しかも、おとうさまがお外に出ることを許さなくちゃ、お外にも出れないの!」
🍝🍷「もう、やになっちゃう!」
🍝🍷「いっそぜんぶほっぽって、お外を見れたらなぁ…。」
今まで、家から出た記憶はあまりない。
まぁ、後継者にもなりうる子供を簡単に外に出させる訳にも行かないのだろう。
♦️☕️「…ならさ、おれといっしょにかくれてお外行く!?!?」
🍝🍷「え!?!?たのしそう!」
🍝🍷「うわぁ!いいな〜!」
♦️☕️「『いいな〜!』って!かなともいくんだよ!」
🍝🍷「え!ぼくも!?!?」
♦️☕️「もちろん! 」
♦️☕️「2人でたんけんしようぜ! 」
『たんけん』。
外での探検に僕は心を踊らせた。
何があるんだろう。
どんな所なんだろう。
その時の僕はすっごくわくわくしていて、夜は一睡も出来なかった。
次の日の朝早く。
雲雀が僕の部屋の窓から入って、僕を家から連れ出した。
♦️☕️「かなとの家の庭きれいやね!」
🍝🍷「ね!」
🍝🍷「たくさんの色のお花がさいててすごい!」
はぐれないようにと手を繋ぎ、他愛のない会話を交わした。
青々しい緑の香りと、朝の涼しい風が僕を包んで、今までのモヤモヤが消えていくようだった。
♦️☕️「朝ごはんたべた?」
🍝🍷「ううん。まだ。」
♦️☕️「じゃあさじゃあさ!」
♦️☕️「おれのおすすめのパン屋さんあるんだけどいかない!?」
♦️☕️「ふわっ!カリッ!ってしててすんごいうまいの!」
🍝🍷「いく〜!」
♦️☕️「よっしゃ!決まり!」
それから少し歩いて、例のパン屋さんに着いた。
🍝🍷「うわぁ…!おいしそう〜!」
♦️☕️「おれクロワッサン1つおねがいします!」
♦️☕️「かなとはなにたべる!?」
🍝🍷「ん〜…、どれにしようかなぁ?」
🍝🍷「ひばのおすすめは?」
♦️☕️「やっぱクロワッサンかな!」
🍝🍷「じゃあ、ぼくもクロワッサンでおねがいします!」
少し経つとほかほかの焼きたてパンが目の前に現れた。
♦️☕️「ありがとうございます!」
♦️☕️「かなと!こっちにすわるとこあるからここでくおーぜ!」
🍝🍷「うんっ!」
黄金色のふわふわしたパンからかすかに湯気が立つ。
♦️☕️「いっただっきまーす!」
🍝🍷「いただきます!」
サクッ…!
🍝🍷「おいしい…!!」
まさに雲雀が言った通りだった。
中はふわふわでバターの香ばしい香りがする。
テラテラと輝く外はサクッとしていて、僕は夢中でそれを食べた。
♦️☕️「うまいか!?」
🍝🍷「うんっ!」
🍝🍷「ふっほくほいひい!(すっごくおいしい!)」
♦️☕️「そりゃ良かった! 」
それから、お花屋さんを見たり、公園で遊んだり、お腹が空いたら、雲雀のオススメの店でご飯を食べて腹を満たした。
コメント
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なんかもう真剣に書かせてもらうと 俺がどんだけ見ても参考にできないくらい上手いって感じで、誰にも真似出来ない作品って感じする!! 文字の書き方とか行のあけ具合とか、色々ほうわさんって感じする!! 最後まで見た時最高すぎ目我慢できなくて ア゚ア゚ア゚ア゚ア゚ア゚ア゚ !!!!! って言ってしまったwww いつも応援してるし待ってる !! お疲れ様 !!長文ごめーん !!