チュンチュン
「んっ、ふぁあ”、おはよぉ」
そう言って私は布団から起き上がる。
「よく寝たぁ…」
時間を確認するともう13時だ。
「またみこに怒られる、」
着替えながらそんな独り言を呟く。
私はここ最近ギルドに入ったばっかの新入りだ。みことは幼馴染であり、幼い頃からよく冒険をして遊んでいた。
「おーい、すいちゃん、起きてる?」
コンコンとドアを叩く音と共に、いつも通りの声が部屋に響いた。
「起きてるよー、」
服のボタンをとめるのに苦戦しながら、少し無愛想に返事をする。
「珍しいね、いつもは寝てるのに、」
「…だっていつもは起こしに来るの8時だもん」
いつも起こしてもらっているから、あまり強くは言えない。
今日は二人で屋台で食べ歩きに行く約束だ。
時計を見ると、予定の時間から15分ほど遅れをとっている。
それに気づき、着替える手を速める。
「もう行ける?」
「うん、もう大丈夫。」
少し声に怒りが混ざっている。
まぁ無理もない、なんせ約束の時間から30分待たせているのだから、。
「ごめんね、」
「…まぁ良いよ、」
彼女は少し不満げにそう言った。
「鯛焼き買ってあげるから、許して?」
「鯛焼き!?」
キラキラとした目で再度問いかけて来る。
「うん、鯛焼き」
「やったぁ!」
買って手渡すと、目の前でぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。
そりゃあそうだろう。
元々この世界で、甘味は多くない。
しかし彼女は甘味が大好物なのだ、その中でも特に鯛焼きを愛してやまないため、買ってやると機嫌が大変良くなる。
…財布が少し寂しいけどね、
甘味は貴重だからか、やはり高い。
まぁ、彼女の笑顔が見られるのなら、必要な出費なのだろう。
あの後私達は五時間程、
屋台を回っては食べ歩いた。
みこはお酒を沢山飲んでいた、お酒のどこが美味しいんだろう?
「もうそろそろ帰ろうか、?」
「そうだにぇ、」
呂律が少し乱れている。
「飲み過ぎだよ、みこ」
「うぅん、」
駄目だこの酔っぱらい、、はぁ、
幸い彼女の住んでいる部屋は私の隣の部屋だ。ベットに寝かしつけて私も寝る事にしよう。
「ほらみこ、肩組むから掴まって、」
「あい」
「うわぁ、酒クセェ」
「…みこ?」
彼女からの返答が無いため肩の方を見ると、
「すぅ~すぅ~」
「人の肩で寝やがったぁ、、」
数十分後…
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「重かったぁ、」
結局彼女は、
あの後もずっと私の肩で寝息を立てながら寝続けた、引き剥がすのに苦労したが、無事ベットに引きずり落として布団を被せた。
自分の部屋に戻る前に彼女の額にこっそり口付けをした。
「ふふっ、おやすみ、また明日。」
この日、懐かしい夢を見た。
「すいちゃん!みこね、冒険者になる!」
彼女と夢を目指し始めた理由。
「なんで?」
「みこは、世界中にある甘い菓子を探して、みこが思う一番の美味しいを作るの!幸せそうでしょ?」
それは、くだらなくて、
笑えるような旅をしたいから。
「…すいちゃんも、ついて行ってあげる、みこがやられちゃわない様に、隣で護ってあげる。」
…私はまだ、貴方と別れたく無いから、だから、、
「ホント?約束だよ?」
「…うん、約束」
あの日、私は、彼女の願う幸せを叶える旅に、ついて行くことを心に決めた。
「……ろ!」
「…きろ!」
「起きろぉ!」
「ん?、あ、もう朝か、、」
…とても、懐かしい夢をみた。
もう理由すらも忘れかけていた。
「幸せ」のため。
私にとって、何よりも大切な彼女の幸せを探すために旅に出る。
「すいちゃん?大丈夫?ずっとぼぉっとしてるよ?」
心配させてしまったかな?
「大丈夫だよ?、でも、どうしたの?いつもより起こしに来るの早いじゃん」
「ふふん!忘れたとは言わせないy…「忘れた」
「おい!」
「んで、?なんで今日はこんな朝早いの?
それに昨日いっぱい飲んでたのになんで起きれるんだよスゲェな」
「みこはエリートだからね、」
「ソダネー」
「絶対思ってねぇこいつ」
「あと、今日は属性を調べにギルドに行く約束でしょ!みこは早く旅に出たいの!置いてくよ?」
「そうだったそうだった。」
「マジで忘れてやがったのかよ、」
「さっ、早く行こ!」
「いつの間に着替えたんだよぉ」
「ここがギルドになります」
「なんで敬語なんだよ、キモォ」
「ひでぇ」
「もぉ、ほら!早く行くよ」
「はいはい、」
「ではこの水晶に手をかざして下さい。」
「はい!」
「、、貴方の属性は、珍しいですね、四属性全てに、固有属性です、使っていくうちに分かりますよ、
ランクは、、5等級ですね、」
「ありがとうございます、!」
「すいちゃん、!みこ全属性あるんだって!」
「おぉ、スゲェ」
「絶対分かってないこいつ…」
「早く行って来なよぉ!」
「はぁい」
「星街すいせいさんですね、ではこの水晶に手をかざして下さい。」
「はい」
「、、、言いにくいのですが、貴方は残念ながらなんの才能もありません。ランクは、最低ランクの12等級ですね、笑」
「____へ?」
コメント
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いやぁ、放置してたらめちゃ良いね増えてる…やったぁ、?展開のリクエストはここにして下さい!