注意!
・短いです。ご注意。
・地雷さんご自衛下さい。
その他の注意事項は他のエピソードと似たものばかりなので今回は省かせていただきます。
では本編Go。
会議室に、ただ一人。
国際連合が座っていた。
国連の会議が終わり、もう会議室には誰もいない。
だが、国連だけは残っていた。
「……いつになったら私もお役目を終えられるんでしょうか」
国際連合という機関は、複数の国から成り立っている。だから、たとえ1つ2つ加盟国が滅びたところで国際連合は機能し続ける。それは、加盟国が1つでも残る限り国連は生き続けなければいけないという縛りでもあった。
「国際連盟さんはあんなにすぐ役目を終えられたのに。
私は、ずっと、この世界に繋ぎ留められ続ける」
「アメリカも、イギリスも、中国も、ロシアも、フランスも」
「全部核兵器を落として生物兵器をばらまいてしまえば、私もお役目を終えられるんでしょうか?」
ぽつりと呟いた後、国連の口元には歪んだ笑みが広がった。
「だって、仕方ないですものね。
常任理事国も、全員核の圧力で世界を無理やり平和にしているに過ぎない。
もしもその核兵器の威力がそのまま自分に返ってきたら、彼らは一体どんな反応をするんでしょうか」
窓の外では、満月が恐ろしい程美しく輝いている。
この日ばかりは、宇宙ですら国連の味方をしているのかもしれない。
「世界は結局、恐怖と武力でしか統率できない。
平和がなんだ。武力放棄がなんだ。全部平和のために捨ててしまえば、それこそ戦争の火種になりかねない」
そうだそうだと頷くように、風が窓へ当たった。
「……世界なんて初めから無かった方が幸せだったのかもしれませんね。
皆がおのおの自由に生きて、自由に生活を確立し、そして井の中の蛙のように世間を知らずに死んでいく。それが人間の幸せだったのかもしれない…」
国連は一人そう結論付けると、立ち上がる。
別に世界平和を乱したいわけではない。むしろ、常任理事国たち以上に世界が平和になることを願っている。
だが、世界平和を実現するには途方もない時間がかかる。
『世界平和』を掲げる常任理事国は、全て原子爆弾を持っている。80年前に日本に落とされ、何十万人という人間が即死した悪魔の兵器をそれぞれの国が1個2個ではなく数十個、数百個単位で。それなのに『世界平和』を謳うなんて何事か。
そこに国際連合は毎日のように疑問を覚え、葛藤し、そして結局自分は都合のいいように常任理事国に作られた人形なのだから考えるだけ無駄なのだと結論付けて思考を終える。
「…ねぇ、国際連盟さん」
「もしもあなたが今の私の立場なら、あなたは一体どうしていたのでしょうね?」
そして今日も、もう居ない兄のことを思って、自嘲の笑みを浮かべるのだった。
世界平和ってマジで何なんだと社会の問題を解きながら思いました。
世界平和って簡単に言うけれど、実際は本当に難しいんですよねぇ……
いつか、本当の平和とは何かを見つけられたらいいなと思います。
では今回はこれで。
コメント
16件
なんか、、凄い天原さんって頭良いですよね もう小説家ですか?(?)
結局そうなんだよねー 平和は存在しないからねー。人類ってそんなもんだよ
すげえなんか頭良さそうな事書いてる…()国際連盟兄なのか…