北斗side.
[じゃあ、終わった人から丸つけな~]
「…」
今は数学の授業中。
プリントの問題を淡々と解いていく。
「あ、僕が丸つけしましょうか?』
[お!じゃあ、京本先生にお願いします」
「…!」
京本先生⋯!
最近来た教育実習生。
ノリが良くて、優しくて、かわいらしくて…
仲良くなりたいと思うけど、人気者だからなかなか話しかけれない。
『丸つけいつでもどーぞー!』
…今日は、ちょっと会話できるかも??
「…」
プリント解き終わったし、行くか…!
「…お願いします、」
『お、松村くん!早いね~』
「…」
「ふんふん…」
名前、覚えてくれてるんだ。
てか、改めて近くで見ても、やっぱり美人だな…
そんな変なことを考えてる間に、丸つけは終わったみたい。
『すご!全部あってるじゃん!!』
「…」
『はなまるつけちゃお、』
「…ありがとうございます」
『はーいっ』
「…」
⋯最悪
なんて言えばいいのかわかんなくて、先生を無視してしまった、
人と関わるのが苦手な性格は、自分でも本当に嫌だ。
「…」
ちーん。
頭の中で、そんな効果音が聞こえた。
大我side.
松村くん…
はじめてこのクラスに入った時に、かっこいいなって思った人。
さっき数学のプリントをつけしたけど、全部あってるし字は綺麗だし、礼儀正しかったし…
「っ…」
好きになってしまいそうで困る。