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彷徨う漆黒

彷徨う漆黒

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1-15.逃走の終わり

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2023年11月28日

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佐川家に到着した。

家の外観には破損箇所もなく、グーンは来ていないように思えた。

佐川家は、2階戸建ての30坪だ。

屋根は青、2階にはテラスがある。

家族は自身を含め、4人。

父は消防士。

母はナース。

妹は中学一年生。

左隣には小さな橋があり、隅田川へ流れる小川があった。

右隣には幼馴染である篠原しのはら 恵めぐみの家がある。

家族ぐるみの付き合いで、恵とはこの世に生を受けた時から一緒だ。

「恵も無事だといいが」

雨が急に強くなってきたので、自宅の雨避けまで移動する。

恵の顔が浮かぶ。

齢17歳、佐川と同じ高校、身長154cm、茶髪、つり目。

体型は痩せ型。

スポーツは苦手で華奢だ。

髪はショートボブ、後髪は一つに束ね、うなじが見えてそそ、ゴホン。

顔が真っ赤になり、右頬をつねる。

「家族の無事を確認しよう」

佐川はドアノブを掴もうとしたが、掴めない。

その時、背後に気配を感じた。

佐川は慌てて背後を振り返るが、グーンの強靭な右腕の前に投げ飛ばされてしまう。

気がつくと篠原家の庭に飛ばされていた。

「ここはめぐ、ぐぅ」

痛みが脳を刺激する。

左手の感覚はあるが、右手を動かすことはできない。

視線を右に向けると、右腕が半分以上なくなっていた。

あたりは黒い血の池状態だった。

佐川は叫び声を上げ、気を失いそうになる。

しかし、グーンが佐川の頭を掴み自身の目をギョロと覗かせる。

「やっと見つけたぜ、佐川さんよ」

佐川の頭にグーンの爪が喰い込む。

乱暴に佐川を地面に叩きつけて、その場に座り込む。

「俺の能力で、サーザス様、イリ、グーン、サイへ連絡した」

「残念だが、お前はここで終わりだ」

痛みで佐川の頭は働かない。

あの短い言葉が浮かんだ。

「タールとは」

グーンは振り向き、タールがいるのかと振り返るが誰もいない。

佐川の方へ目線を向けるとクロスボウを構えていた。

「何のつもりだ」

「それがお前の能」

と口を噤んだ。

グーンは震えていた。

「まさか、その影はタールの」

佐川には何も見えないが、どうやらグーンには影が見えているらしい。

グーンは左腕を天に掲げ、地面に勢いよく拳を突き立てた。

地面が割れ、篠原家は半壊。

佐川は吹き飛ばされ、自宅付近のアスファルトに左肩を打ち付けた。

グーンは篠原家の外壁を破壊し、佐川へ迫る。

上空から声が響いた。

「そこまでだ、グーン」

サイが大きな翼で空から着地する。

その背中にはイリもいる。

空間を割くようにドアが出現する。

ガチャリとドアから男が顔を覗かせる。

顔は見知った男、サーザスだった。

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