𓏸 水桃
𓏸 R18
🦈「わこさめ〜!」
バックに流れる音源が小さくなり、待ち構えた声出しにコメントは物凄い速度で流れる。
わこさめで埋まるコメント欄の中、俺は変化球のように『今日も会えてうれしい』と送ってみる。
🦈「なになに〜?今日も会えて嬉しい?」
🦈「えー、こさめもうれしい!」
速度を増すばかりのコメントに流され読まれないのを想定していた俺を良い意味で裏切るように、特徴的な声質が俺のコメントを嬉しそうに読んだ。
🌸「…..やばい、一生推します」
こさめに届くはずもない想いをわざわざ口にし、そしてそれをコメントにも打つ。
流石に二度も拾ってくれる程の強運は持ち合わせていないからもちろんの如く流されてしまったが、既に俺のお腹はいっぱいだ。
🦈「リスナー同士で喧嘩とかしたらこさめ怒るからね!」
🦈「個人情報を安易に言ったりするのもだめ〜!」
皆が飽き飽きするようなテンプレートのような注意も、こさめがあざとかわいく電子に乗せて発信するだけでリスナーはみんな目を光らせる。
従順な犬のようにコメント欄は『はい!』『うんうん』と同意の意を流している。
🌸「そうだよな〜、危ないもんな」
スマホ越しに俺も首を縦に動かし、いちリスナーとして俺も従順な犬のようにこさめを肯定する。
🦈「よし!えらいぞ〜」
と、タイミング良く褒めてくれた言葉も無数のリスナーに向けてなんだろうが、勘違いはした者勝ちと勝手に納得して俺は「ありがとう」の5文字を添えてお茶爆を贈った。
🦈「らんくんだよねっ、会いに来てくれてありがとう〜!」
🌸「…….え、本物?」
限界気味になりつつある俺は握手会のお知らせというイベントに申し込まない訳もなく、神頼みで申し込み。
そして現に当選した結果、あの最推しのこさめが俺の手を握っている。
………普通にやばくね?
🦈「本物だよ本物!」
🦈「いつもらんくんが応援してるあの雨乃こさめだよ!」
立ち絵と音声の世界のこさめはあざとかわいいと賞賛されていたが、俺にウインクをするこさめは期待を裏切らずリアルでもあざとかわいい。
天使ってほんまにいたんや。
🌸「え、あ…..え??」
🌸「や…..ちょ、え。」
ぶんぶんと手を上下に振ったり、俺の手を優しく何度も握り返したりしてくれる。
かわいすぎて言葉も出ないとはこの事だ。
🦈「今日はどこから来てくれたの〜?」
🌸「あー、実はすぐ近くなんだよね!」
🌸「ここの最寄り駅の向かいのマンション住んでて!」
オタクの家なんぞ知ったところで、という所だがこさめは真剣にうんうんと話を聞いてくれる。
そのときもずっと手をにぎにぎと触ってくれる。めっちゃかわいい。
🦈「え〜!めっちゃ近いじゃん!」
🦈「遊びに行っちゃおうかな〜?笑」
小悪魔みたいに、にひっと微笑んだこさめには悪魔の角が生えているようにも見えるし天使の羽が生えているようにも見える。
堕天使とはこのことか?
🌸「こさめだったらいくら会っても足りないなぁ〜…」
横に立っているスタッフさんの「お時間です」の声に余計そのいくら会っても足りないという気持ちが増す。
🦈「…..またすぐ会いに行くから、そのときまで寂しがらず待っててね?」
🌸「…..っな、/」
手を振りほどこうとした俺とは対に、こさめは俺の指と指の間を縫って優しく手を結んだ。
その瞬間にニヒルに笑ったこさめには、天使の羽なんか見えなくて悪魔の角が見えたような気がした。
🦈「っんふ、じゃあね、ばいば〜い!」
これが魔性か、と思いながらも熱を帯びていく頬をどうにか抑えて精一杯手を振り返した。
手を離した後も温かく感じたのは俺からの発熱か、はたまたこさめの体温か。
俺は都合の良い方に捉え、ずっと手のひらを見つめていた。
余韻ひたひたのまま、自宅に着くなり速攻ベッドに身を沈めて枕を抱きしめる。
🌸「…..はぁ、…/」
あれが老若男女問わず誰もを虜にするアイドル、といっても2.5次元だけど。
相変わらずリスナーの扱い方が上手いんだよなぁ、なんて考えているとふとインターホンが鳴る。
🌸「…….あ。」
俺と同じくこさめ推しのすち。
確かすちも握手会当たったから、2人とも終わったら合致してお互いに語ろうと連絡を飛ばしてたのをふと思い出す。
🌸「やべ、完全に忘れてたわ……」
何度か繰り返す無機質なインターホンに吸い寄せられるよう、俺はチェーンを外して重たい扉を奥に押す。
その瞬間、すちに胸元を思いっきりドンッと押され受け身の体制も取れずにそのまま激しく尻もちを着いて後ろに倒れる。
🦈「…..らんくんみたいな推しの言うこと守らない人がいるから言ってるんだよ?」
🦈「安易に個人情報教えちゃだめって言ってるでしょ?」
🌸「…..っは、…?」
俺の目と鼻の先に現れたのは、水色のような灰色のような綺麗な髪色。水色の綺麗な瞳に、揺れる雫のピアス。
🌸「…..え、な…こ、さめ…?」
俺の思い描いていた暗緑色の髪色も黒色メッシュも、綺麗な赤い瞳もない。
全くの別人だ。
🦈「こさめみたいなのがいるから個人情報は教えんなって言ってるの、らんくん…?♡」
🌸「っあ、や…っぅ、゙…..♡」
🌸「ひぁ…っ、〜〜〜っ、゙…♡」
廊下の冷たくて固いフローリーングにらんくんは押し倒されるがまま、こさめに身を委ねて甘い声を出す。
🦈「…っは、…んは、っ…♡」
🦈「やば、きもち…っ、♡」
いつもコメントや投げ銭をしてくれて、欠かさず拡散協力もしてくれるしこういうイベントだって遠征して会いに来てくれる。
所謂、オキニって区分。
🌸「ぁ、…っひ、…ぁ゙え、…♡」
🌸「や…っこさ、め…ぇ…♡」
他にお金くれるリスナーも、コメントを欠かさずしてくれるリスナーだっている。
何度もイベントで同じ顔を見かけてはそれなりの対応はしてきてあげた。
🦈「ん〜、なぁに、っ…?♡」
でも、そんなただのこさめのリスナーとらんくんは一緒にしちゃ困る。
お気に入りの五文字なんかじゃ収まらないくらいの大きな感情を抱いているんだから。
🌸「ゃ、…っう、…は、…♡」
🌸「っん、ぁ、…〜〜〜゙っ、…♡♡」
アイドルが恋愛しちゃダメとか、リスナーと繋がっちゃだめとか色んな暗黙の了解がある。
でも、こさめたちは正真正銘両想いだし別にルールに縛られなくったって良くない?
🦈「…っあは、かわいい〜…っ、♡」
🦈「らんく、…っらんくん、…♡」
実際に、今らんくんとは心だけじゃなくて身体も全部繋がってる。
らんくんだって満更でも無さそうな顔をしてこさめの服掴んでアクメきめてる。
🌸「っこさ、め…っあ、゙…!?♡」
🌸「ゃ、…っう、ぁ…..?♡」
名前を呼んだり手を握ったり、腰を振って奥をついただけ。
それだけでらんくんは顔を紅潮させてもっとこさめの事を好きになっていく。
🌸「はっ…〜〜〜、゙…♡♡」
🦈「…っらんくん、かわい…♡」
きっとこさめがアイドルでは無い他の道を歩んでいたって、きっとどんな方法でも絶対に出会っていたはず。
最終的には何があってもこさめの元に帰ってくるはず。
🦈「…っは、好き…らんくんすき、っ…♡」
🦈「だいすきだよ、っねぇ…♡」
こさめは “ 推し ” なんかよりももっと深い恋情をらんくんだけに貢げるんだもん。
どっちが本当のオタクだったっけなんて淡い疑問を抱きながら、またこさめはらんくんの名前を呼ぶ。
🤍あとがき
アイドルとオタクパロって大体アイドルに認知もらって〜とかのあまあまが多いですよね許せない😾😾‼️
オタクがアイドルにって矢印向いてるんじゃなくて、アイドルがオタクに強い感情抱いちゃってる系がだいすきです、同士いないんですかもっと増えてください(切実)
コメント
31件
はぁ↑尊い…👐 ほしのさんのせいでドルパロ書きたくなったじゃないですか((殴 アイドルさんの方が愛重いのが好きです少ないの悲しい😢 やっぱ水桃は神ですね!?✨️ ありがとうオリゴ糖です(?)
えわかる😭😭😭めっちゃそれ、!私もそっちの方が好きなの🥹💖 あのね、神なんだよね 水さんのあざとさも残しつつ、いい塩梅で獣らしいっていうか、もう最高としか言いようがないよね 桃さんも安定の水さん推しだけど、なんか混乱しながら堕ちちゃう、みたいな最高シチュすぎる😻🩷 投稿ありがとう😭😭 お疲れ様!
まって!同士いて嬉しい分かるよ〜;;♡ 水さんの愛重めってほんとに可愛いほしのさんが書くとさらに可愛い〜т т🩵🩷 ここまで愛されて嬉しそうな桃さんもなんとも言えないくらい可愛い😭💘 このCP大好きだからすごい嬉しいですほしのさんの書き方やっぱり大好き😘♡