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この先を予感しても不思議と僕はリラックスしていた。俳優なら恋人じゃなくてもキスくらい演技ですることもある。唇が触れ合うだけのキスだとたかをくくっていたら、体をがっちりホールドされて動けない。舌が入り込んできて頭が真っ白になる。
アントンを突き飛ばして唇をぬぐう。こんなことする奴だと思わなかった。
「そんなに僕のこと嫌い?」
「嫌いじゃ、ない」
悲しそうな表情のアントンを見ると、気持ちに嘘はないのだろう。
「付き合ってるって、思ってるならなんで」
「付き合ってない、片想いだって言ったのはヒョンだよ」
言った。確かに言ったけど、否定したのお前。思わず深くため息をつく。
「ヒョンと別れて僕と付き合うことになったって、みんななんとも思わないよ。ウンソギヒョンだって多分、割り切ると思う」
想像を超えたアントンの言葉に、傷ついた半面、納得している自分もいる。
ウンソクの性格を考えれば、アントンの言う通りの態度をとりそうだ。みんなの前では平気なふりをする。実際そうなんだと思う。
一緒にいても寂しいことがよく、あった。ウンソクにそんな気はなくても、僕は、寂しかった。