――吉田の家。静かな午後。
テレビの音だけが、部屋の中に響いている。
「……くっそ、また負けた。」
ソファに寝転びながら、霧島はコントローラーを投げた。テーブルの上には、ポテトチップスの袋が無惨に散らばっている。
「……ダメだ、集中できねぇ。翔太ァァァァァ……!!」
霧島は天井を見上げて泣き叫ぶ。
「オレは……オレはお前を失ってから、何も手につかねぇんだよ……!!」
その時、ふわっと隣から声が聞こえた。
「大げさだな、霧島。」
霧島はビクッとして、隣を見た。
――そこには、大学生ニート姿の翔太が座っていた。
パーカーにスウェット、髪はボサボサ。片手にポテチを持ち、ダルそうにあぐらをかいている。
「……翔太ァァァ!!!」
霧島は飛びつくが、当然ながらそこには何もない。ソファのクッションに顔を埋めながら、彼は号泣する。
「もう……もう一度……オレと一緒にポテチ食べてくれよぉぉぉぉ!!」
「いや、食ってるじゃん。むしろ食いすぎだよ。」 翔太(妄想)は呆れた顔をする。
霧島はハッと顔を上げる。
「うるせぇ!! これはお前の分だって言ったろ!!」
バリバリとポテチを頬張る霧島。
「おい、ポテチ食いすぎて太るぞ。」
「……黙れ、ニートが……!!」
翔太(妄想)は肩をすくめる。
「オレ、もう死んでるんだよ? せめて妄想の中ぐらい優しくしてくんない?」
霧島はしばらく沈黙した後、涙目になってポテチを差し出す。
「……食うか?」
翔太(妄想)は微笑む。
「……ありがと。」
――こうして、霧島は今日も一人、妄想の中で翔太とポテチを食べるのだった。
コメント
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やっべずっとああいうとこ見てきた人だからほのぼの~としすぎて微笑みが、、((? あー、、でも妄想っていうことだから、、、ねえ???( うちのライアたんがすみませんでした(((?