NⅬに見せかけたBLです。
麗奈
彰人のことが好きな女子高校生。肝試しが好きで幽霊が写るカメラを面白半分で持っている。
彰人
霊感のない男子高校生。麗奈に連れられて孤児村(みなしごむら)に来た。
玲真
孤児村に住み着く霊。生前は村の決まりで処刑された男子高校生。
ついにやった。彰人君と心霊スポット孤児村に来た。私自身、怖いことに特別強いわけではないが他人よりか耐性はある方だ。
「彰人君、えっと…怖い?」
『そりゃそうだろ~…俺霊感ないのにめちゃくちゃさみーし…』
ここは悪霊こそいないものの霊はたくさんいるという話だ。私のカメラには何も映らないが。うさんくさかったし…それはそうかと納得しつつ、自分よりも高い位置にある彼の顔を見る。
……あれ?彼、肩回りを気にしてる…?それって、もしかして、
「…彰人君、肩、気にしてるね…?」
『わかっちまうか~、なんか急に肩が重くなったっていうか、人ひとり乗ってんじゃねぇかな~って感じ』
彼に霊感はない。ここの霊はさほど強くない。見えれば振り切る。それだけで取り払えると情報があった。…だけど、彼に霊は見えない。あぁ、カメラに、黒い霧が写ってる。彼は、もう、手遅れかもしれない。
俺は彰人。麗奈さんみたいに霊感あるわけじゃねぇし、まずまずそんなものは信じていなかった。そう、信じていなかった。つい最近、信じざるを得ない出来事が起こった。見える。見えるのだ。足の透けたクソイケメンの黒髪童顔野郎が。
「…なぁ、聞こえてる?」
『なんだ?俺のこと除霊でもするのか?』
「したいっちゃしてぇよ、けどそんな簡単に消えねぇだろお前」
『っは…鈍感野郎でもそういうことには気づくのな、意外だ』
このクソ生意気な幽霊は勝手に俺の家で雑誌を読んでいる。いや、なんかさ、めちゃくちゃ目が輝いてんのよ。俺そういう仕草によえーから。やめてくれ。マジでお前だけは可愛いとか微塵も思いたくない。
…思いたくねぇーのになぁ~。あー、クソっ…
「お前、とりついたの俺が初めて?」
『何故そんなことを聞くんだ…?ま、まぁ…お前が初めてだ』
…あーよかった……………よかった?……………よかった⁉
(…こいつに気に入られなかったらよかった)
俺の初恋…幽霊に奪われたのかよ。
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