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よし。日誌も出し終えたし帰ろう。
そう思って職員室を出た時、課題のプリントを教室に忘れたことを思い出した。
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教室に足を踏み入れようとした時、話し声に気がついて足を止めた。
(この声は…桃田さんと雪村くんだ。何話してるんだろ…?)
あんまり盗み聞きをするのは良くないけど、僕が教室に入って空気を壊すよりはマシだと思って、聞き耳を立てた。
「ねぇ、桃田うにさん。まさかまた会えるなんて思ってなかったよ」
桃田さんと雪村くん、知り合いだったんだ。
「高校生活はどう?みんな、君の名前に対してどう思ってると思う?」
桃田さんの名前…?
僕は雪村くんの声に違和感を感じた。
優しい口調の中に、どこか嫌味がある。
それに、桃田さんは全然返事をしない。
まさか……桃田さんは、雪村くんに怯えている…?
いや、考えすぎかな…。
「君が知らないだけだと思うけど、みんな内心では変な名前って思ってるよ」
「……ッッ」
桃田さんの涙を堪える声が聞こえた。
(これは、とんでもない現場に出くわしたのでは…?)
僕の頭の中で1回整理する。
桃田さんは雪村くんに怯えている。雪村くんは笑いながら、桃田さんの名前を馬鹿にしている。
それは…いじめという結論にしか結びつかなかった。