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9 - 第8話 「どうしようもなく」

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2023年08月15日

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nkside.


sha「……オレさ、数年前までマイナーな地下アイドルのグループにいたんだ」


sha「ファンも少なかったし、ライブ会場だって決して大きい場所じゃなかったけど、ユニットみんなで仲良くやってたんだよ」


sha「……でも、それをオレが壊した」


sha「オレが、大事なソロパートで声が出なくなって……ファンのみんなを、メンバーを悲しませた」


sha「……ファンのみんなには、『どうせセンターっていう立場だけ』って言われて、メンバーには冷たい言葉で責められて、ユニットを追い出されて……」


sha「そこから、今の事務所に所属して、必死に1人で頑張って、ここまで来た」


sha「1人で活動してる間だって、本当は前のユニットに未練タラタラだった。もっと一緒に活動したかった、とか、オレにはアイツらしかいない、とか」


sha「……でも、アイツらは、歌とダンスの実力も大してなくて、アイドルとして人生を全うする覚悟だってなかった」


sha「……ただの、人数の埋め合わせ。周りの人間も、アイツらの表面しか見てなかった」


sha「…………オレは、無意識のうちにアイツらとNakamuを重ねちゃってた」


sha「……だから、Nakamuだってどうせ……って、ずっと思ってた」


sha「でも、お前は違った。ちゃんと、覚悟があった。真剣に、アイドルと向き合ってた」


sha「……だから……ごめん。今までずっと、キツく当たってごめん」


sha「……ライブの話をもらった時に、元気がなかったのも、そのことが原因。ホント……ごめん」


……シャークん……そんなことがあったんだ……


nk「……シャークん、話してくれてありがとう」


nk「……ずっと、苦しかったよね。頑張ったね……オレも、気づいてあげられなくてごめんね」


オレは、そっとシャークんを抱きしめ、頭を撫でた。


sha「……っ、おい、やめろ……」


nk「今は、オレといるこの時間は」


nk「思いっきり、泣いてもいいんだよ。だってオレは」


『シャークんのことが大切で大切でたまらないんだから』


sha「……っ……!」


sha「……っ……うっ……ずっと…っ……!くるし、かった……っ……!」


nk「うん」


sha「……ほんとはっ……ずっと…オレも……っ……なかむのこと……っ、たいせつに……おもってたっ……!!」


sha「……でもっ……こわかった……っ……」


sha「……ごめんね……っ……、ごめん……ねっ……」


オレは、シャークんが泣き止むまで、黙って頭を撫で続けた。


────大丈夫だよ。



オレはシャークんがどんな失敗をしたって、



オレは絶対にシャークんを責めたりしない。



だって……



オレは、



どうしようもなくシャークんのことが大切で、



どうしようもなく、



シャークんのことが大好きなんだから────。





最後の『大好き』は恋愛感情ではないです


この作品はBL要素ないので!

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