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15年前
「紅葉。今日から新しい執事さんが来るんだ」
「ひつじ?」
「羊じゃなくて執事!笑紅葉にお仕えしてくれる方よ」
「へぇ〜」
どんなひとなのかな?紅葉といっぱいかるたしてくれるかな?
「初めまして 今日から紅葉お嬢様に仕える伊織無我と申します」
わぁ…!
背が高くて髪の毛は紅葉とお揃いの癖っ毛の若い男の子
いや男の子と呼ぶには大人すぎるかもしれない
「いおり!よろしくね!」
「えぇよろしくお願いします。紅葉お嬢様」
これが私達の出会いだった
「いおりはかるたできるー?」
「ええ人並み程度なら」
「ですがお嬢様には敵いませんよ」
「だけど紅葉この前の大会で平次くんに負けちゃった…」
「大丈夫ですよ紅葉お嬢様はお強い方です今度は必ず」
「でもね!紅葉平次くんと将来結婚する約束したの!」
「平次くんね!『次会ったら嫁にとったるさかい待っとれ』って!」
「(この歳で告白を受けるとは…流石紅葉お嬢様…)」
「それまでこの私がお仕えする所存です」
「平次くんと結婚すればいおりともおわかれなの…?」
「そうかもしれませんが いずれお別れになったとしても紅葉お嬢様との約束はいつまでも守り抜きますよ」
「やったぁ!紅葉うれしい!」
そして現在
「あの頃が懐かしいですなぁ」
「あの約束忘れてはりませんよね」
「伊織…っ」
写真を眺めて彼女は瞳を曇らせた
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな