夏目友人帳 夢小説
苦手な方は🔙
「初めまして!」
私の名前は「水野 翠」
今日、世分高校に転校してきた転校生だ。
「じゃあ席は、夏目の隣な。」
夏目…。
聞いた事がある。
( 気のせいかな。 )
そんなことを思いながら指定された席に腰を下ろした。
顔をよく見ると、まつ毛は長いし髪は綺麗な色をしている。
ふと、どんな声をしているのだろう。と思い話しかけるとこにした。
隣の席だし、これから関わることも多いだろう。話しかけるのはいい選択だ。
「宜しくね。この学校のこと、まだあまり分かってないから良かったら今度教えて!」
私はあまりコミニケーション能力が高い方では無いし、陽キャな方でもない。
この言葉は意外と勇気を振り絞って発した言葉だったのだ。
「…あぁ、宜しく。水野、勿論。時間があれば教えるよ」
透き通るような美しい声をしていた。
…普通に会話してもそんな事は思わない。
でも、今まで会った人の中で1番と言っていいほど「夏目」くんは綺麗だった。
「あ…ありがとう!」
そんなことを考えていたら返答が遅れてしまった。
不快じゃなかったろうか。すぐ不安になる。
そのせいで前の学校でも1人だった。
「あ、でも俺も転校してきたから、詳しくは分からないかも。ごめん…」
「いえ、全然大丈夫です!ありがとう、夏目くん。」
そんなたわいもない会話を交わし、学校を終えた。
「水野、良かったら一緒に帰らないか?隣の席だし、もっと会話をしておこうと思って。 」
「え…いいの?そうだね、ありがとう。」
夏目くんはただ、人を気遣ってくれる普通の、やさしい少年と思っていた。
帰り道、夏目くんは森を気にしていた。
「夏目くん、どうしたの?森が気になるようだけど…」
すると、少し慌てたように言った。
「あ、いや…大丈夫だ。気にないでくれ。」
すると後ろから声が聞こえた。何かと思って振り向くと、そこには巨大なナニカが居た。
「…水野、先に行っててくれ。ごめん、用事を思い出したんだ。」
夏目くんの言葉に返答したかったが、それより後ろのナニカに気を取られた。
そのナニカは、きっと、私が今までに見てきたものと同じ、「妖」と呼ばれるもの。
「な、夏目くん、ごめん私、変なこと言ってると思うけど、聞いてくれる…?」
少しの沈黙の後、君は言った。
「…あぁ、水野、言ってくれ。」
私は覚悟を決めて言った。
「あそこに、妖が見える。」
…
沈黙が続いた。
不安になりながらも私は、夏目くんの顔を見た。
すると、驚いた顔をした後、なぜか、優しく微笑んで口を開いた。
「俺も見えるよ、水野。大丈夫」
その瞬間、足から崩れ落ちた。
多分、安心と驚きと心配の感情とかが、全て一気にきた。
その日から、私達の物語が始まった。
ー 第1話 私の見ている世界と、君がみている世界。 ー
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