👾👑

｢じゃあ、いわせてもらうけどさ。｣

｢おん｣

｢……付き合ってから初めてなのに、俺の記憶に残らない時にきすしちゃうんだ｣

｢それはごめん…….｣

｢しかも長めだった｣

｢それもごめん……｣

｢なのに、ちゅーしたらおわりだし｣

｢ごめ…え？ちゅー？｣

｢…あそこまでやったなら期待するじゃん｣

｢あ、うん、ごめん……？｣

｢性欲魔人ボビーのくせに、全然手出してこねえし｣

｢性欲魔人はいいすぎやろ…..｣

｢やっと手出して貰えんのかと思ったのに、｣

｢………｣

｢結局、おれからになっちゃったじゃん。ずっと我慢してたのに….。｣

｢……うん。｣

｢もういっそ掘ってやろうかと思った。｣

｢それだけは勘弁。｣

｢…俺は、ボビーになら抱かれてもいいっておもってるけん、ずっとそわそわしてたのに。｣

｢うん…｣

｢俺だけがボビーとシたいみたいで恥ずかしいじゃん….｣

｢……..｣

｢……..｣

あまりの情報量とニキの可愛さに頭がクラクラするが、一旦彼の言い分をまとめてみる。

………

つまり、俺に手を出されるのをニキは待っていた…？

なのに、俺がいつまでもシないから、痺れを切らして自分から…？

押し倒してまでキスをした……？

目の前にいるニキの瞳を見つめる。

｢……ニキ？｣

｢……なに｣

｢ごめんね？｣

｢……別にいいけど｣

｢俺、ニキのこと大事にしたくてチキっとったわ。初めてなんよ、好きな子に対してこんなに臆病になるの。｣

｢……そう｣

｢不安にさせる気もなかった。｣

｢キスより先、ひよったくせに。｣

｢でもホンマにニキのこと好きやで。｣

｢……知ってるけど。｣

不意に目をそらすニキ。さっきまでの勢いを完全に失っている。

長い髪から覗く耳は真っ赤に染っていた。

｢…かわいいなぁ｣

｢うるさいっ…..｣

｢なぁ、ニキ｣

｢なに｣

｢もっかいキスしてもええ？｣

｢…いちいち聞くなバカボビー｣

拗ねたように尖った唇に俺の唇も重ねる

｢っ…..ふぅ…..｣

深い口付けを交わせば、快感に震えるニキの体。

それでも負けじと俺の舌を吸い返してくる。

（俺らこんなとこまで相性ばっちりやな）

｢んん….ァ、ぅ、ンぅっ…ぼびぃ…ぁっ｣

ふと、ニキの腰が揺れていることに気がついた。

本人はキスに必死で気づいていないようだ。

そんな彼に、自分の昂った熱を押し付ける。

｢っァ、ぼび…ンん、あ、あたっ、てる｣

｢ニキだって、勃ってるやん｣

｢そう、だけど｣

『ドサッ』

形勢逆転。

繰り返したキスで力が抜けているニキの肩を軽く押せば簡単に押し倒すことができた。

｢ニキ｣

｢ん｣

｢抱かせて。｣

｢……｣

｢でも正直、ニキがエロすぎて、俺とまれそうにないんよ..

けど、だいじにするし、優しくするし、痛かったらすぐやめ ｢いいよ｣

え？｣

｢優しくしなくていいから。おれだってもう限界。｣

ニキの口が俺の耳元に近づいてきて囁く

｢はやくキて。ぼびーのでぐちゃぐちゃにして。｣

その瞬間身体中が沸騰したような感覚に襲われた。

興奮で視界が揺れる。

｢ほんっとにおまえはっ…..｣

こいつにだけは一生勝てそうにない。

｢こんだけ煽ったんやから、すぐトんだりすんなよ｣

｢ボビーこそ、｣

どちらからともなく、また自然に口付けを交わした。

俺ららしくない、甘い夜が更けていく。

いつの間にか忘れられた缶ビールがぬるくなってしまったことに気づく夜明けまで、あと数時間。