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**♬”ねぇ、隣にいるのは誰?”**
**♬”そんなに楽しそうにしないでよ”**
**♬”私だけを見てるって言ったのに”**
**♬”ちょっとくらいヤキモチ妬かせていい?”**
蓮と付き合い始めて少し経ったある日。
私の中で、モヤモヤした気持ちがふくらんでいく出来事があった。
—
「蓮くーん!」
聞き慣れない女の子の声が廊下に響いた。
振り向くと、蓮のクラスメイトらしき女子が蓮に駆け寄っていた。
「ねぇ、次のテスト範囲わかんないんだけど、教えてくれない?」
「ん? あー、プリントならあるけど」
「ほんと? さすがー! じゃあ、一緒に確認してくれない?」
…なに、この距離感。
私の目の前で、蓮にすごく楽しそうに話しかける女の子。
しかも、めちゃくちゃ可愛い。
(え、普通に距離近くない!?)
蓮はそんなの気にせず、ふつうに話してるみたいだけど…
(もしかして、慣れてる…?)
ふと、不安がこみ上げてくる。
—
私は無意識に、蓮の袖をぎゅっと掴んでいた。
「……蓮」
「ん?」
蓮がこっちを振り向いた瞬間、私はじっとその女の子を見た。
「蓮ってさ、誰にでも優しいんだね」
「え、急にどうした?」
「別に」
「……?」
蓮は不思議そうな顔をしているけど、私はそれどころじゃない。
だって、さっきの子、まだ蓮のことチラチラ見てる。
(なんなの? もしかして、蓮のこと好きなの?)
考えれば考えるほど、心の奥がチクリと痛む。
—
そのあとも、蓮は何事もなかったかのように話し続けていたけど、私はずっとふくれっ面だった。
「お前、さっきからどうした?」
「どうもしてない」
「いや、絶対してるだろ」
「……蓮って、あの子みたいなタイプが好きなの?」
「は? なんでそうなる?」
「だって、めっちゃ楽しそうだったじゃん」
「え、お前……もしかして嫉妬してんの?」
「!?!?///」
「うわ、まじか」
蓮が驚いた顔をして、少しだけ笑う。
「お、お前、そういうのするんだな」
「う、うるさい!」
私は顔を赤くして、蓮から視線をそらした。
(え、なにこの展開。私、嫉妬してるってバレた? いや、絶対バレたよね!?)
蓮はニヤニヤしながら、私の頭をぽんっと軽く叩いた。
「お前が嫉妬するとか、可愛いな」
「~~~っ!!」
恥ずかしすぎて、その場から逃げ出したくなる。
でも、蓮がそんな風に言ってくれるのが、ちょっと嬉しかった。
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**♬”バカバカ! なんでそんなに鈍感なの?”**
**♬”気づいてるくせに笑わないでよ!”**
**♬”でもね、そんな君が好きだから”**
**♬”今日もまた、隣にいたいんだ”**