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⚠︎注意⚠︎
・米英( アルアサ/味音痴 )
・微加英( マシュアサ/メイプルティー )
・CP表現薄
・倉庫掃除ネタ( 史実ネタ )
・全体的に暗い
・捏造有り
・1話完結
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「植民地に情を置きすぎるなよ」
他国がみな、口々を揃えって言ってきた言葉。そして、誰よりも、俺自身が深く理解していた言葉だ。
例え、どれだけの武力で押さえ込もうと試みても、歴史上、植民地支配が永遠と続いた国は存在しない。
国は、自由を求める。
支配も永遠ではない。何時か、その支配が終わる時は必ず来る。それは、嫌という程理解していた。
だから、俺自身も、愛し過ぎないようにと思ってた。失う事には慣れていたけれど、失う痛みには、まだ慣れきっていなかったから。
何時、支配が終わりを告げ、愛しい弟達が自分の元を消えてしまっても、打ちひしがれる事がないようにと。
そう、自分でも気をつけていたし、理解していた。
それでも、周りとは違い、俺の訪問を待っていてくれて、こんな俺を笑顔で出迎えてくれて、俺の作る料理を美味しいと言って食べてくれる、純粋無垢な子供に対し、どうしても、希望と、愛を消す事が出来なかった。
会って、笑顔を向けられる度。
(もう少し…)と。
互いに笑い合い、温もりを感じる度。
(もう少し…もう少しだけ…)と。
そう言って、迫り来る現実から目を背けていた。
分かっていた筈なのだ。何れ、俺が” 愛 “と呼んでいるものの正体を知られる事も。自由を求め、大人になろうと、前に進み始める事も。全て、分かりきっていた。
” 愛 “なんて言うものを知らない俺が、きちんと愛せるわけが無いなんて事、痛い程に分かっていた。自分の愛し方があっているのか。向こうが、本当に俺を好いていてくれてるのか。
それすら分からない自分が、支配し続けられる訳無いと。
それなのに、向き合う事が出来なかった。
また、” 愛 “という存在から、自分が切り離された事を理解するのが恐ろしくて、目を瞑り続けていたのだ。
そうやって、汚れた愛を引きずり、脆い糸を引き続け、ついに、終わりはやってくる。
◇◇◇◇◇◇◇◇
酷い雨の日だった。頭から爪先まで、強い雨粒が打ち付けていた。
目の前には、何百もの人間の兵と、かつての愛し子が居て、こちらには俺一人しか居なかった。
目に映っている全ての者が俺に銃を向けていて、それはまさに一方的で。
(ああ、ほら、やっぱり…)
俺が誰かを愛するなんて事、不可能に決まっていたのだ。何時かこの光景が広がると言う事は、分かっていた筈なのに。
目の前は、雨のせいか滲んでいって、頬には、きっと雨が伝っていた。
支配者として、撃つべきだった。目の前に居る、反逆者達を、みな。それが、本来の俺の立場だった。
それでも、俺は懲りず目の前の光景から目を逸らし、思い出にすがりつく。
帰るぞと言って差し伸べた手を、笑顔で掴んでくれた時。俺が作った料理を、笑顔で褒めてくれた時。俺が必死に作ったおもちゃを見て、目を輝かせてくれた時。全てが全て、暖かい。
目の前に映るアメリカの瞳は、痛い程に冷たいのに、俺はその瞳から目を背けて、現実から逃げた。
雨によってぐちゃぐちゃになった地面に座り込んで、そんな地面に出来ている水溜まりに映る自分を見る。
それは、まるで死人のような、生気のない顔だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「イギリスさん、大丈夫ですか?」
心配そうにして顔を覗かせてくるカナダ相手に、俺は何も言えなかった。
それは、元気が無いとか、顔を見たくないとか、そんなんじゃなかった。只々、この先のことを考えていたのだ。
アメリカが独立したことをきっかけに、きっと、カナダも独立を目指す。
そうなった時、今度は銃を向けられない様に、なるべく、平和に解決出来るように。
優しいカナダが「独立をしたい」と、苦しそうな顔をしながら言わなくて済むように。もう、充分な位の年月、一緒にいてもらったのだ。
「カナダ」
これ以上、他へ向ける感情が薄まらないように。
「何ですか?イギリスさん」
「お前も、もう、自由になっていいぞ。お前なら、きっと大丈夫だから」
これ以上、周りを信用出来なくなりたくは無い。
まだ、イギリスでいたいから。
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END
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コメント
4件
うわーーーーーーん😭倉庫掃除の話だけですら泣くのに無名さんが書いたら涙腺崩壊ですわ
なっ、涙が出てきました、、、、天才過ぎます、、、!