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そして遂にバレンタインがやってきた
「よっ!柊!」
「松田…何ニヤニヤしてんだよ」
「へへっ…刮目せよ!」
「何だよ…って、は?お前なんで 」
「ふふん、チョコ貰っちゃった〜」
「柊には悪いけど俺にも春きたわ〜」
くそくそくそくそ!!!
なんで松田にチョコが渡されて
俺にはないんだよ!?
「うっぜぇ…」
「まぁまぁ笑下駄箱に入ってるかもよ〜?」
調子に乗っている松田を横目に俺は下駄箱を
開けた…するとそこには…
_まぁ、何も入っていなかった
絶望している俺を茶化しながら松田は
先に階段を登っていってしまった。
「はぁ…今年も貰えないのかぁ」
席に座り、机に教科書を入れる、
「ん?あれ、なんか…プリントか?」
するっと床に何が落ちた。
床を見るとそこには丁寧に封緘まで貼られている、手紙が落ちていた。
開くとそこには
今日の放課後、17時頃に体育館裏に
来てください。待ってます
と、書いてあった。
「ま、まじか…き、きたぁ!!」
遂に俺にも……!!!
松田にこのことを報告すると、最初は戯言だと疑われ信じて貰えなかった、酷すぎる。
俺がこの一通の手紙に喜んでいると
前の方が何やら盛り上がってる
前に視線を向けると、潮田と取り巻きが話をしていた。
「うっわ、えっぐいな今年も」
「な、來のモテっぷりは異常だろ」
「えっ何個貰ってるの?潮田君は」
潮「えーと…11?いや12だな」
じゅ、じゅ、12?!?!?!
12ってやばいだろ、漫画じゃあるまいし
やっぱイケメンは違うなぁ〜
少し長い襟足だが髪は黒、肌も白くて健康的で人当たりもよく、言わずもがな顔も整っている。まぁ、モテない方がおかしい。
そんなことを思いながら見ていると
こっちの視線に潮田が気付いた。
「磯村!昨日はありがとな!教えてもらったお陰で助かったぜ」
「あぁ、役に立ったなら良かったよ。」
「……ん?」
「あ、いやなんでもないっ!は、本当にありがとな、磯村! 」
そう言ってまた取り巻きの方に戻っていく潮田を見ながら、律儀なやつだなって思った。
昨日LINEでも感謝を伝えられたのに
改まって今日、面と向かって感謝を伝えてきた。やっぱ、こういう所がイケメンだけど
嫌味のない、憎めないやつなんだよなぁ…
授業が終わり、放課後になった。
茶化す松田を先に帰らせ、俺は
指定された体育館裏に来ていた。
「まだ来ないなー…」
時計の針は10分を指していた。
イタズラだったのかなぁ?とも
思ってきた、それにしても長すぎるけど。
「ご、ごめん…待ったよな…?」
息を切らしながら走ってきた
人物の声は聞き覚えがあった。
そう、潮田來の声だった。