コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ファミレスの1番端の席
無言の空間に グラスをかき混ぜる音と
電子機器のタップ音が響く
柚月【携帯ばっかり…】
日向は私の彼氏だ。
だがここのところ会っても会話をする訳でもなくただただTi〇To〇を眺めている
会う度にそう思ってしまって仕方がない。
柚月は、ずっと携帯を見ている日向を一瞥して
去年のことを思い出す
色んなところに行ったり写真を撮ったりして
携帯なんか触らなくても楽しい時間を送っていた
そんな日々がずっと続くと思っていた
いつまでも一緒に楽しく過ごせると思っていた
昔は毎日愛を囁き合うほど仲が良かった
ペア画だってした
バカップルだ!と言われるほどのことをしていた
でも今は違う
会っても話さないくらいだ
気づいたら私は家に帰っていた
空に月が出始めたぐらいの時間だ
やっぱり彼は連絡ひとつしてこない
何が足りなかったんだろう
別に喧嘩をした訳でもない
ただ前より空気が変わった ただそれだけ
ピロォン
不意に通知がなった
「なんだろう…」
日向のストーリーだ
「今日は女の子とファミレスでご飯食べた!
その後に夜景見ながら自撮り🤳 」
ついに彼女とも書かなくなってしまった
多分意図してやったものでは無いのだろう
私はただただ自分が惨めに思えてきた
あの頃の思い出に縋り
思い出の中だけの恋人同士になにかを期待していた
私は思い出を洗い流すかのように泣いた
泣いて泣いて泣きまくり気づいたら次の日の朝だった。