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「こいつゾンビに見えないし、本人がそう言ってるんだから大丈夫だろ」

「でも……」

「何!?アタイの発言、おかしいか?」

「……わかりました。生徒会長の名において、安全であると判断しました。入ってください」

「あ、ありがとう!」

三人にキラキラした眼差しで見つめて、教室に上がり込む。頭を潰されて殺されるかと思ったが、紫髪の女の子が信じて受け入れてくれたようだ。

とはいえど、こんな見た目なので彼女以外は僕から離れて見つめている。離れている人たちに、思ったことをぶつけた。

「ほんと、ビビりばかり。嫌になっちゃうわ。こんな世界でビビってるようじゃ、ゾンビに食われて死ぬぞ」

「そ、それはそうかもしれないけど……」

「アタイはゾンビを潰しに行く。止められても絶対に行く。それに良さなさそうなのが来たしな」

「えっ、僕のこと……?」

「そうに決まってるだろ。ほら、二人で退治しに行くぞ!」

手を引っ張られて出ようとしたら、眼鏡をかけた生徒会長が近くに寄ってくる。

「私もいきます。見ているだけでは、食われてしまうかもしれない……。怖いけど、行きます」

生徒会長は、震えた手で近くに置いてある_箒@ほうき_を構えていた。しかし、箒だけでは退治できない。何か鋭い武器が必要だな。

それと生きていくのには、食材が必要だ。飲み物は、玄関の近くにある水道水で事足りるだろう。だが水道も機能しなくなれば、水も確保しなければいけなくなる。

しなければいけないことはたくさんだ。が、今は考えている場合ではない。僕が積極的に倒して、道を確保しなければ。


そんなことを考えていたら、紫髪の女は手にカッターナイフを握っていた。どうやら筆箱から取り出したようだ。彼女はそれで退治するつもりなのか。

紫髪の女は意気込んで言う。

「さ、武器もあるし行くわよ」


三人は女の子と端っこで震えている先生を置いて、教室から出る。廊下を進むと、二体ゾンビがいた。足音に反応してこちらへ向かってくる。

彼女がカッターを使って一体のゾンビの頭目掛けて、刺した。簡単にナイフの刃が入り、バラバラになって倒れた。もう動かない。

女の子はガッツポーズをする。

「やった!倒した!」

「あと一体……。僕が倒そう」

僕は素早く歩き、ゾンビの頭を掴んだ。そのまま力を入れると、簡単に首が切れて粉々に。簡単に倒せて良かったと、安心する。

自分の手を見ると、気持ち悪いものがあったので床に落とした。気色悪い感触だな。うえ……。

ただこのゾンビの体になってから、身体能力が一時的に上がっている。やはりゾンビは力持ちなのだろうか。だとしたら危険だ。

僕は二人に話しかける。

「そういやー、これいつ終わるんだ?倒しても倒しても湧いてきそう」

「確かにそうだな。キリがない。だがゾンビになる種を潰せば、もうゾンビになる人はいない。頑張るわ!」

「今度こそ、戦いに参戦します」

「直斗は足手纏いだから。後ろに隠れていればいいわよ」

「そういうわけには……」

「うるさいな、もう!じゃあ、二人で倒せば?アタイは後ろから見てる」

「えっ……なんでそうなるんですか!おかしいですよね!?」

「アンタはゾンビを倒したいんだろ?男としての実力を見せてみろよ」

「分かりましたよ!私が倒しましょう。えっと、貴方は……」

二人は仲が悪いんだと思って会話を聞いていたら、いきなり話しかけられた。僕は慌てて自分の名前を名乗る。二人もそれぞれ名乗った。

「えっと……優です」

「私は生徒会長をしています。直斗です、よろしくお願いします」

「アタイは花純だ。ヤンキーになりたい痛い女だ」

「自覚あるんだ……」

「で、教室にいた奴は紬だ。怯えていたのは、アタイのクラスの担任、立川だ。どっちもビビリだよな。ありゃ、死んじゃうな」

「ゾンビに突っ込むのも死んでしまうので、どっちにしろ自分の身は自分で守った方がいいな」

「それは言えてる。アタイと優、考え方が合いそうだな」

そんなことを女の子に言われたことがなくて、照れてしまう。それと反対に、彼女は視線を逸らしてそれ以上話すことはなかった。ひたすら、廊下にいるゾンビを三人がかりで倒していく。


階段を下りて一階まで来ると、直斗が持っていた箒が壊れてしまう。前線で戦っていたので、仕方ない。

「くっ……武器がなくなってしまった……どうしましょう」

「仕方ないわね、はい」

花純がポケットからハサミを取り出した。どうやら予備にと持ってきたらしい。ハサミを手渡すと、彼は驚いた表情をする。

「い、いいのか!?もらっても!」

「ええ、いいわ。カッターナイフが壊れて使い物にならなくなったら、教室に入って武器を探す」

「そんなの無茶だ!どう考えても無謀すぎる!」

「は?そんなこと言ってる場合!?自分の身は自分で守れる。心配するな」

「そ、そうか……」

彼女の鋭い眼差しのせいで、直斗は無言を貫く。花純に何を言っても無理だと分かっているからだろう。

僕は体力がたくさんあり、まだまだ戦える。ゾンビになってから、身体能力がおかしいがそれが逆に戦いにて有利になった。誇らしい気分だ。


廊下を進んで水を確保するために玄関近くの水道へ向かう。そこには大きなゾンビが立っていた。

見るからデカくて、太い。こいつは一体、どうやって倒せばいいんだ!?

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