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私 「ころちゃん、、?どうして…」
ころん「あのさぁ、僕が瀬菜ちゃんの居るところを分からないとでも思った?笑 僕のこと舐めすぎだよ〜」
そうだった。
ころちゃんはいつも、私を見つけてくれる。
かくれんぼをしていても、迷子になっても、1番最初に見つけてくれるのは他の誰でもない、ころちゃんだった。
そして、ころちゃんは1番私を、私の気持ちを、理解してくれる人なんだ。
私 「…うん、ごめん」
ころん「謝るのきんしだよ〜」
そう言ってころちゃんは私の背後に、背を向けて体育座りした。
ころん「話したかったら話していいよ。泣きたかったら泣いていいよ。瀬菜ちゃんの気がすむまで僕はここにいるから」
ほら。
その優しさのせいでまた、涙が溢れてくるんだ。
私は必死に声を殺しながら、涙が枯れるまで泣いた。
ころちゃんはずっと、背中で私を支えながらずっと一緒に居てくれた。
優しくて、温かくて、でもちょっと頼りない、ころちゃんの背中だった。
気が済むまで泣き、ようやく落ち着いた私は、全てころちゃんに話した。
ころちゃんになら、話してもいいから。
私のせいでお父さんとお母さんが喧嘩をしてしまったこと。
私がもっと勉強していれば喧嘩は起こらなかったこと。
でも、勉強はもうしたくないって思うくらい嫌いになったこと。
全てを聞いたころちゃんは、ゆっくりと口を開き、優しい口調で言った。
ころん「…瀬菜ちゃん、勉強やめて」
私 「うん。……え?」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
勉強しなさい。ってずっと言われてきた。
それなのに、やめろ、?
どういう、こと、?
ころん「“やりたくない”って思いながらやる勉強なんて、きっとなんのためにもならないよ」
なんのためにも…ならない…。
私 「…じゃあ、私が今まで勉強してきたのって無意味だったの、?」
ころん「そうじゃなくて。将来の瀬菜ちゃんのためになったとしても、今の瀬菜ちゃんのためになってないじゃん。やりたくないことを無理やりやる。それって瀬菜ちゃんが辛くなるだけでしょ?僕、そんなの嫌だから勉強やめて」
私 「…っ」
呆れるほど根拠もない言葉で。
でも、呆れるほど真っ直ぐな言葉だった。
勉強をやめる。
そんなこと不可能だと思う。
お母さんが辞めさせてくれるわけないし。
でも…やりたくない。
辛いのは、嫌、。
私 「…どうしたら、辛くなくなる?どうすればころちゃんみたいに楽しく勉強できる?」
ずっと隣で見てきたから、よく知ってる。
ころちゃんの勉強してる姿はどれも、とても楽しそうだった。
正直、ずっと羨ましかった。
楽しそうなころちゃんの姿に励まされて、私は今まで頑張れたんだ。
ころちゃんはゆっくり口を開けた。
ころん「僕には将来の夢がある。学校の先生っていう夢。そのための努力は、楽しいよ」
私 「夢のための、努力…?でも、私に将来の夢なんてないよ…」
ころん「じゃあさ、一緒に学校の先生になろ!僕もいっぱい頑張るから、瀬菜ちゃんも一緒に頑張ろ!!」
そう言ってころちゃんは立ち上がり、私の目の前で屈んだ。そして、手を差し伸べた。
気づけば外は晴れていて。
太陽に照らされているから、ころちゃんの笑顔がより眩しかった。
自分のために頑張るのは、まだ難しい。
でも、ころちゃんと夢を叶えるために頑張ることなら、出来る気がする。
私はころちゃんにつられて笑顔になり、
私 「うんっ!」
と返事をして、ころちゃんの手をとった。
“一緒に教師になる。約束ね。”