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24 - 第24話 館内放送

♥

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2025年03月20日

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――ピーーーー……


船内に、甲高い電子音が響いた。


「えー、乗客の皆様にご案内です。」


無機質な女性の声が船内スピーカーから流れる。


「現在、船内での殺し合いが確認されました。安全のため、皆様は速やかに避難してください。」


その瞬間、遠くから悲鳴が上がる。


「な、なにこれ!?」「誰か助けて!」


パニックになった乗客たちが、我先にと出口に殺到する。


――だが、次の瞬間。


「あーあ、ダメじゃん。」


船内放送の声が、唐突に軽くなった。


どこか悪ふざけのようなトーン。


「ま、避難っつっても、どこにも行けないんだけどねぇ?」


主はハッとして放送スピーカーを睨んだ。


「……葵?」


「ビンゴ~♪」


船内に響く、楽しげな笑い声。


「さぁ、乗客の皆様。どうせ逃げられないんだから、おとなしく殺されるのが一番よ?」


乗客たちは凍りついた。


「なんだよこれ……」「誰か止めろよ!」


パニックがさらに加速する。


主の隣で、詩音がクスクスと笑った。


「おいおい、葵ちゃん、やるねぇ。」


「こういう悪趣味、嫌いじゃないよ?」


葵の声が、再び響く。


「さて、ここで特別ルール発表~!」


「現在、館内で生き残っている人数は……えーっと、100人くらい?」


主が息を飲む。


「んで、その中で”戦士”はたったの11人。」


詩音がニヤリと笑った。


「へぇ?んで、そいつらが何?」


「そ・こ・で♪」


放送の向こうで、葵が拍手する音が聞こえた。


「これから船内は”殺し合いモード”に移行しま~す♪」


主が青ざめた。


「……っ!」


「殺し合いモードって、何よ……?」


葵の声が、愉快そうに続く。


「簡単よ?100人のうち、最後に生き残った1人には――」


「この船の”支配権”をあげちゃう!」


――沈黙。


そして次の瞬間、船内は地獄と化した。


「ハハハハハ!!!」


「う、嘘だろ!?」「ふざけんなぁぁぁ!」


絶望と狂気の入り混じった叫び声が響き渡る。


乗客たちは、互いを押しのけ、逃げ場のない船内での”殺し合い”を始めた。


「……マジかよ。」


主の手が震える。


詩音は肩をすくめた。


「さぁて、ゲームスタートってわけか。」


葵の声が、最後にもう一度響いた。


「それじゃ、みんな、”楽しんで”ね♡」


――ピーーーー……


館内放送が、静かに途切れた。

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コメント

1

ユーザー

新しいゲーム!?(?)何か…イヤナヨカンガ…(汗()主生き残れるかな…??続き楽しみです、!!!

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