ATTENTION
◆ この小説は 第一次戦争屋様 及び 旧wrwrd! 様の”奇病パロディ”の創作です。
◆ 御本家様とは一切関係御座いません。
◇ 腐的な意図は人物によりますが殆ど込めていない為、腐コメはお控え下さい。
◇ 誤字脱字等有るかと思われますが、解読して読んで頂けると幸いです。
◇ 語彙力の問題で幼稚な表現等が含まれます。
◆ 上記に苦手な要素が含まれている方はブラウザバックを推奨致します。気分を害しても一切責任は負いかねます。
tn side
「…ぅ”、?」
ボヤついた眼を軽く片手で擦り、重い瞼を開ける。すると視界に広がっていたのは、何だか小学校の保健室の様なトラバーチン模様の入った真っ白の天井の一面だった。
頭の中には此処は何処だ?という疑問が居座っているが、兎に角落ち着こう。
濁点混じりの唸り声を小さく発しながら身体を起こし、大きく伸びをする。刹那辺りを見渡すと、そこは病院の様だった。…と言ってもまだ眼鏡が無いのでハッキリとは見えないが。
「ん、目ェ覚めたん?」
特徴のある落ち着いた声色をしている声が真横の淡いバブルガムピンク色の付いたカーテンレール越しに耳に入る。急にタメ口で話し掛けて来るものだから少しだけ は?となったが、そんな事は気にせずに下記の様に言葉を返す。
「えっと…?」
そうカーテンレールに向かって問い掛けながら、聴こえない程度に深呼吸をする。まずこの知らない場所に記憶なんも無く放り込まれとるとかいう謎な状況が意味不明すぎて落ち着けられない。
「あ、僕や僕。」
帰ってきた回答は名前を一切言わずに一人称だけという物だった。だが、生憎このノリと聞き慣れた台詞だけでもう誰か分かってしまう。少しズキズキと痛む頭を抑えて白色のベッドから下り、音を素早く鳴らしながらカーテンレールを横に開けると、だろうなという人物がベッドに大人しく座って此方を横目で見ていた。
「あー、大先生か。」
「え、今わかったん?」
分かりきっていた事を述べて揶揄えば貴方は苦い笑いを浮かべる。そんな表情を見てつい反応が最高でニヤ、と悪戯っぽく無意識に口角が上がってしまう。
「あのー…ここ何処??」
さっきまでの笑みを一変させて1番抱えていた疑問を見詰めながら貴方に問い掛ける。貴方も此方を見詰めて不思議そうな顔をしては、下記をすんなりと答える。
「病院やで?こんな事もわからんくなった?」
あ?なんやコイツ。
病院…なのはわかるが明らかに煽っていて苛立つが、それを抑えてまた更に分かりやすい様に質問を投げ掛ける。ついでに小さな机の上に質素にポツンと置かれた黒縁の眼鏡を慣れた手付きで耳に掛ける。
「病院なんは分かるねんけど、何で俺ら病院居るんよ?」
今度は病院に居る理由を問い掛けた。貴方は「は?」とでも言わんばかりの顔をして、少し沈黙の気まずい時間が流れた。まさか此奴も知らんのか?なんて薄々思いながらも、回答が来る事を待ち続ける。すると、先程とは一変して貴方はただの壁に向かって目を逸らし、口を開いた。
「忘れた。」
「お前なぁ…?」
そんな事だろうとは思っていた。眉を軽く下げて苦い笑みを貴方に向け、態とらしい溜息を一息吐く。けれど何故自信が病院に居る事は分かっていて此処に所在する理由が分からないんだろうか?
「まぁ…とりあえず此処探索したらええやろ、僕めんどいから寝るで」
「呑気やなぁ…つかそれ迷子ならへん?」
貴方は後頭部で手を組みながら猫が唸る様な欠伸を零す。相変わらずのマイペースぶりを見ればもはや安心を促す程だ。探索、というワードを聞いてもそこまでピッタリ来るものでは無かった。けれどやる事が無い為か、ほんの少し志気が芽生えた…気がする。恐らく。
「まーええわ、行ったる。俺ら以外に居るかもしれへんしな」
「流石っすわー!よっ!」
「うっさいねんお前」
「え?」
コト、コト。いつも着用していた靴より何倍も柔らかいシューズの歩行音を静かな廊下に響く様に奏でさせる。常に煩い場に居た物だから、こんなに静かで騒音の無い場は逆に落ち着かない。今まで気付かなかったが、いつの間にかセパレートタイプの患者衣を着用させられていた。そのせいか何となく歩き難い気がするが、殆ど支障は無いだろう。窓の3cm程の隙間から微風が見に余った袖をゆらゆらと淡く揺らす。透き通った窓越しに横目で景色を眺めては、緑が揺れ落ちる涼やかな様子が瞳に映し出された。心地よく最も適した気温と鼓動のみが目立つ物静かな場所、たったのこれだけで何だか昔を連想させられる。それはそうとして、人気が異様な程にとにかく少ない。病院、という理由だけで済ませれる程では無く、本当に看護師やらも何も居ないのだ。1人だけの世界、とも言えるくらいには。
そう思った刹那、背後から誰かの名前を激しく呼ぶ声が耳に冷水が入り込んだかのように飛び込んだ。少し距離の離れた…恐らく重症病棟と書かれたルームからだろう。その声はとても荒れ荒れしく、名前なのは何となく感じ取れるがなんと言っているのかは聴き取れなかった。先程の平和な日常らしき物とは一変して、その声一つだけで不安感を煽られる。名前を呼ぶ声は何時までも鳴り止まず、興味本位からか心配からか方向を180度変えて急ぎ足で廊下の風を切る。常時なら邪魔になるだろうし放っておいたかもしれない。ただ、嫌な予感と向かわなければならない使命感が同時に働いてしまったからだ。頬に一滴の冷や汗が伝わると共に、刹那荒れ荒れしくまた名前を呼ぶ声が。その声が聴こえれば聴こえる程急かされる様な心情に陥る。
息をひゅ、と切らしながら鼓動の喧しい音を奏でて病棟前に立ち尽くす。ドアは偶然にも鍵の掛けられていない状態で、ドアノブを握れば不安感と罪悪感に罵られる感覚を覚えた。それよりも使命感の方が強く衝動を動かし、ガチャリと握った物を捻り目の前の重いドアを蹴り飛ばすくらいの十分な勢いで開く。本当ならこんな行為、迷惑極まりないかと思うが今回ばかりは神を信じて許される事を願おう。
目の前にあった光景は、誰よりも信頼を持つ貴方が悪魔の様な姿で悶え苦しむ姿だった。
350いいね ⌒ 続編
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!