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続きは時間があれば投稿する予定です🙇♀️
続き気になりすぎる……
br.side
僕には恋人がいる。
高校の頃に何度も告白されて、僕が折れて付き合い始めたけど、直ぐに僕も彼のことが好きになった。
僕の恋人はかっこよくて、気が利くし優しい、だからたくさんモテている。
だけど僕を1番に愛してくれてた。
だから、僕も彼に、きんさんに見合う人になろうと、苦手な勉強も運動も頑張った。
きんさんには叶わないけどソコソコいい成績ではあったと思う。
その努力も報われて、きんさんと同じ大学に入れた。
そして、大学に入ってから、ルームシェアをすることになった。
きんさんも俺もバイトをしながら大学に通って、あまり親を頼りすぎないようにと、2人で頑張ってたんだ。
ずっとこんな関係が続くんだと思ってた。
一緒に大学に行って、バイトして、休みの日はどこかへ出かけたり、2人で家でのんびり映画を見たり…
朝起きた時、横にきんさんの寝顔があるのがたまらなく幸せだった。
大学に入り2回目の秋を迎えた頃から、きんさんは髪を染めた。
帰りが遅くなったりして、毎日していたメールも来なくなり、返信が遅くなった。
サークルに入っているきんさんとは違い僕はサークルに入らなかったから、忙しいのかなと少し寂しかったが、
特にきんさんに聞いたりはしなかった。
バイトに夜勤を入れ始めたとか言ってたし…
違う、そんなの嘘だ。
本当は怖かったんだ。
浮気してるんじゃないかって、
もう僕のことは好きじゃないんじゃないかって。
料理だって、きんさんが笑顔で食べてくれるから、努力したんだ。
ぶるーくの料理は本当美味いね、って言われるだけで、胸がギュッて締め付けられてあぁ好きだなぁって思っちゃうほど嬉しくなるんだ。
やっぱり男同士だから、大っぴらに抱きついたり出来ないけど、家にいる時はその分たくさん愛を注いでくれるあんたのことが好きなんだ。
捨てないでよ
きんさん。
帰ってきてよ。
・・・
冬が終わる頃にはきんさんが家に帰ってくることはとても少なくなった。
メールなんて、家に帰ってくるか来ないかの連絡だけだ。
大学で色んな人に囲まれているきんさんを遠目に見ていると男も女も、みんな彼の周りで楽しそうな顔を浮かべて話しかけている。
その中のひとりがきんさんに腕を絡ませた、そのあとは曲がり角の向こうに行ってしまい見えなかった。
けど
あぁ今日も帰ってこないんだろうなということはわかった。
それでも俺はいつきんさんが帰ってきてもいいように、料理を2人分作って待っている。____________________________________________
その日は久しぶりにきんさんが家に帰ってきた。
br
「ねぇ、きんさん3日後予定……空いてる?」
もう会話なんて何日ぶりだろうか、声がうわずってしまった。
kn
「あー、夜なら空いてるかな」
スマホをいじりきんさんは僕の方を見向きもせず淡々と答えた。
そこにはもう愛がないのは明白だ。
だけど認めたくない僕はそのことを見て見振りをして、きんさんの言葉に嬉嬉として食いつく。
br
「あ、あの!夜空いてるなら家で一緒にご飯…食べない?僕、ご馳走つくるから!」
みっともなくすがりつく自分に嫌になりながら、一筋の望みを信じてお願いする
kn
「いいよ」
気だるげそうな声でスマホから顔を上げたきんさんと目が合う。
笑顔ではなかったが、久しぶりに目が合ってドキッとする。
br
「あ、ありがとう、そ、それだけ。メールするね」
ダメもとでお願いしたものだったからまさか、承諾されるとは思っていなかった。
br
(嬉しすぎる
3日後…
きんさんと少しだけど夜を一緒に過ごせるんだ。
何を作ろう。
映画見れるかな。
夜はやっぱり……
なんて、部屋に戻ったあと1人で盛り上がってた。
3日後何をしようかと考えていたら、ドアの鍵が閉まる音がして、きんさんが家を出たことを知る。
その日はもちろん次の日も今まで通り家には帰ってこなかった。
大学で色んな人に囲まれるきんさんを見て、胸が苦しくなって、でも彼と過ごせる日を楽しみにしながら3日間をすごした。
約束をした日、何時頃に来れそうかと連絡をしたら直ぐに17時頃と返信が来た。
少し奮発してきんさんが好きな種類のワインをかって、美味しいと言って食べてくれていた料理を作って、
少し恥ずかしいけど部屋を着飾って俺は心躍らせながら待っていた。
・・・
約束の時間、家の扉が音を鳴らすことは無かった。
18:00
18:30
19:00
20:00
23:00
日付が変わっても扉が開くことは無かった。
作った料理はすっかり冷めてしまって
1人では食べきれない量の料理が机を埋めている。
わかってた。
わかってたよ。
とっくに僕への気持ちが冷めていたことも、いつまでも恋人ヅラしていることを疎ましく思っていることも
夜勤なんか入れてなくて、
他の人と夜をすごしいてることも…
何がいけなかった……
俺のどこがダメだったんだ…
…教えてよ
ラップをした料理の前で蹲り袖を濡らしていると、着信音がなる。
スマホを見ると、きんさんからだった。
kn
「ぶるーく、ごめん……外せない用事が出来て」
br
「きんさん、ごめんね、いつまでも縋ってて、でももう大丈夫。別れよう。」
kn
「え、」
珍しく慌てた様子のきんさんの声が聞こえてきて、その言葉を最後まで聞かずに声を発する。
胸が締め付けられる、いやだ本当は別れたくなんかない。
嫌われたって悪口言われたってきんさんのそばにいたかった。
涙が止まらない、
kn
「な、にいってんの、別れないよ」
やめて、なんでそんなこと言うの。
喜んでよ。
別れたくない、好きなのに
狂おしいほど愛してたから。
今日だって一緒に過ごせると思い上がって馬鹿みたいに、はしゃいで準備して
僕きんさんのこと
でももう耐えられないから…
br
「ねぇ、覚えてる?今日僕たちの記念日だったんだよ。…あ……もう昨日か……」