特に何がある訳でもなく職員室に戻り、帰宅の準備を始めた。
いつもなら、残業する教師たちで酷い空気になっているこの場も今日はいくらか空気が明るい。
「ゴールデンウィーク前くらい早く帰ろう」という校長の粋な計らいによって、全員強制的に残業が禁止が数週間前から発表されていたからだった。
普段、残業しなければ終わらない量の業務量をこなさせるなよとも思うが、それ自体は別に校長だけが悪い訳では無い。
まあなんせ早く帰れるのだ 。
教師だって生徒たちと同じ人間。 浮き足立つのはあたりまえだ。
一緒に飲みに行くか?と誘ってくれていた先輩が、奥さんに早く帰ってくるよう急かされてしまったせいで、急に予定が無くなった。
家庭を持つというのは大変やなあ、と他人事のように考える。
実際、他人事で自分にそんな気配は全くないし、そんな気もない。
先輩方と飲むのは嫌いじゃない。
自分で言うのもおかしな話だが、上司や先輩みたいな上の立場の人にはよく可愛がってもらえるタイプだと自負している。
が、唯一、飲みの場になると、自分のプライベートの話や結婚願望などを深堀されることだけは苦痛だった。
それを回避出来たと思えば、まあ今日はラッキーだったのかもしれない。
(さて、どうしようか。せっかく飲む気だったし、直帰っていうのもな…)
そう思いながら駅への道を歩いていると、ポケットに入れていたスマホが震える
「ふはっ、、、ナイスタイミング」
通知を見て思わず笑みが零れた。
そうと決まれば、1度シャワーだけ浴びに家に帰ろう。彼と飲むなら終電に間に合うわけがないし、そもそも間に合わせる気なんてない。
『キルちゃん:久しぶりに飲もーや』
ーーーーーーーーー
次回からバー編とか言ったくせに、ここで切ってごめんなさい!
あまりに長くなっちゃいそうなので分けます💦
閲覧、いいね、コメント、フォロー、本当にありがとうございます😭 すごく力になっております。もし、感想や見づらいなどの改善点があれば頂けたら幸いです。
軽い気持ちで始めたら、大長編になってしまいそうな予感がしていて私自身ビビり散らかしていますが、よろしければこれからもお付き合い下さい🙇♀️
コメント
4件
バーじゃ無いやん!! めっちゃ書き方とか好きだし物語の展開もさすがだと思います!最高!ありがとう!