「あ―あ、マジつまんねえ」学校の休みにゲームをしていたら、家族に散歩に連れ出されたんだ、こんな退屈な時間よりゲームしてた方がいいのに、そう思った時に
「展示会があるわよ、観に行ってみましょう」
ってお母さんが言って、僕は付いていった。
展示会は金槌社の製造品らしい、その中で一つの
ロボットに目が止まった、ドキッと心臓が高まる、メイド服を着ていて、ウサギの耳が付けられている少女の小さい姿だった、アナウンスが流れる、「このロボットは金槌社の先代の社長が作った物です、時代を大きく先取りした作品ですが、試作品だった為か今は動く事はありません、」
可愛い!体に不慣れな情熱が湧き上がる
「おいヒロト家に帰るぞ」「今良いところだから目に焼き付けてから帰らせて!」家に帰った後も
あのロボットの姿が忘れられなかった、展示会がある期間中、ロボットを観るため毎日通った、
展示会が終わる日は悲しかった、転んで血が出てもへっちゃらな自分が涙がでて泣いちゃったんだから、その後、僕は学校でとにかく勉強したんだ
、テストでは100点、学業も積極的に取り組み、
先生にも気に入られようと振る舞う、「ヒロト君の将来の夢は?」「僕は金槌社に入ってロボットを作りたいです」「この調子なら入れるぞ」
それで金槌社専門の高校に入った。
「は―これからどんな辛いことが起きるんだろうな」親に大企業に入れって勉強させられて、遊べないし自由な時間もない、ただ苦痛の時間、僕は親に恩を返す為に生まれただけらしい。
金槌専門学校の教室で自分の席の隣を見ると情熱を持ってそうな奴がいる、こいつも僕を見下すんだろうな、と思っていたが隣の席の奴は、真面目に授業を受けていただけだった、気にもしないってとこかな。ある日先生が言った「あなた達は高校生ですが職人としてはもう大人になっているべきです、今まで教えてきた技術や理論で何かを作ってください、学校がサポートしますので、」
はぁ工作か、模範解答するだけの茶番だっていうのに、ふと隣を見て見ると、あいつは目を見開いて先生の言葉に集中して聞いていたんだ、
そして放課後になるとすぐ教室を飛び出したんだよね、僕は家には早く帰る必要はないから教室に残っていたんだけど、自分の事をエリ―トと思ってそうな女子が「あいつ感じ悪くてきしょい、こっち見向きもしないしさ」「先生に許可とって実験室で何かやってるって噂あるよ」「顔は、いいのになんで」とか、まだ教室に人が居るのに喋ってんだよ、僕はこいつらの方がきしょいと思ったんだけど。あいつ嫌われてるんだなっていうのを
認識した上で実験室に通りかかったら、
あいつがいたんだ、本を読みながら、「こうじゃない」とか、「アレがなんで…」ってのをブツブツ言っている、僕は声をかけたんだよ「助けがいる?」って、あいつは「これわかる?」って授業より大分後の内容の本を見せてきた、
「わかるよ」あいつに内容を懇切丁寧に教えた。
次の日、実験室を見ると、あいつが鉄の塊を組み立ててるんだよ、「何やってんの?」「ロボットを組み立ててるの」「どうやって」「素材は先生がくれるからあとは仕組みを理解するだけ」
「理論は僕が教えるよ」ロボットを組み立てる技術力はあって当然みたいな態度に驚いたが、
あいつは僕が仕組みを説明できる事に驚いていた、「一部だけなら理解出来る」
こうやってロボットを組み立てたが、25%ぐらいが完成しない、二人で模範解答と思われる物を作ってとりあえず提出した。その後もあいつは実験室に資料を広げてロボットを作ろうとする、
だから僕が資料を読み取って答えを出すんだ。
高校を卒業間近、遂に完成する、メモしたノ―トは3.5冊に及び、改造図は複雑に描かれている。
「今設計図を描いている」「まだ、作るのか?」
「分からないけど、やった事を残さないと」
「まだ完成じゃない」「?」「次の日来て、完成した姿を見せるから」こいつがなんでロボットを作りたがってるのか分からないが情熱があるのは分かった。次の日、先生が「そろそろ卒業です」
と喋っていたがロボットが気になって何も耳に入らなかった、ワクワクして実験室に入り、ロボットを見る、少女の形をしたロボットだ、
そこにあいつの姿が、右手にメイド服、左手に鉄でできたウサギ耳を持ってきたんだ。
「これを着させる」「……」「しょ―もない」
ロボットに着させたあと、いよいよ起動する、
「これは起動すると何が起こるんですか?」
「実は僕も分からない」分からないのに起動するのか!そしてロボットが動き出して喋った
「こんにちは、私はメリ―といいます、初めまして」「ああ、初めまして」「動いた喋った」
あいつは自分が起動した癖に驚いていた、いや
声から察するに感激していたのかも、
「お二人がご主人様ですか?」「うん、僕とけんじ、で作ったから」「じゃあ頑張って働かせて貰いますね」「おい、ロボットにどんな仕事させるんだ?」「別に考えてない、動く所と姿を見てればそれで良かったから」
「じゃあ家に連れて行くよ」「じゃあね」
家に帰ると、両親は驚いたようだったが、「金槌社に入るんだし、それぐらい普通なのかも」と言った。「メリ―といいます、よろしくお願いします」「メリ―ちゃんっていうのね、可愛いじゃない、これからよろしくね」
金槌社に入社する時にメリ―も連れて行く、働く時にアシスタントをしてもらいたいから、
「よう、調子大丈夫?」けんじが道ばたで声をかけてきた「大丈夫だよ緊張してるけど」
「緊張してるんだったら私がほぐしてあげるよ」
「それもいいや」金槌社の中に入り会議室で説明を受ける、説明が終わった時、「君にロボットの特許をわたそう、社長から君に」と言われた、驚いていると、「君が持っているんだから使いこなせるだろ」って、にやにやしていた。
メリ―も「良かったですねご主人様っ」て笑顔で言ってくれた。あれから時間が経って、けんじは科学者に、僕は工学者になり、別の道を歩み初めた、逆に学校でどうしてロボットを作る事に協力してくれたのかが分からないから、今の関係が正常なんだと思うけど。僕は金槌社に入ってから時間をかけてメリ―の性能を底上げしていた、メリ―は高校レベルでも作れた様に、素材としては非常に低コストで作れる、だから作り方が分かれば大量に生産出来る。このまま金槌社で働いていたらメリ―を大量生産して売らないといけなくなるのかな。ちょっと抵抗感を感じてけんじに会いに行った、「お―い、けんじ今なにやってる?」
「合同で、生物と生物を空間ごと融合させる機械を作ってるんだ」本来ならここでメリ―の話題に話を変えるのだが、興味深くて更に聞く
「そんなこと出来るのか」「人の力を借りれば出来るんじゃないかな」ここでメリ―が話に入る
「ご主人なら、凄い事でもやり遂げちゃうって気がします」「ありがとう、あらゆる企業がこの技術を欲しがってて、金が集まってくるんだ」
「まぁそれはそれとして、あなたの用事は?」
けんじが目線を向けてくる
「お前と一緒にメリ―を作ったじゃないか」
「そうだね」「だから話したいんだが」
「このままだとメリ―を売ることになると思うんだが、お前はどう思う?」「いいんじゃないか、あなたが大事なのは二人で作ったメリ―で、
売りに出されるメリ―ではないでしょ」
「…………」「だいたい、クリエイターとして、感情や願い、想いを、作った物に込めても、お客様は内容なんか見てない、外面を見て金落とすだけの案山子なんだから」「ああ、そうか」僕は逃げていただけだったんだ、クリエイターの性から
「生活するのには金が必要でしょ、工学者とか収入が不安定なんだから、僕の事なんか気にせず、稼いでくれ。」湧いていた子供時代の想いには蓋をしておいた方が良いかな。「メリ―はどう思う?」「大丈夫です!私達はご主人の為に作られているから」笑顔で、普通というように話すメリ―に僕は覚悟を決めた、側にいるメリ―以外全部どうでもいい、思い出が大事なら、思い出を持っていないメリ―は大事じゃない、としていい。
「側にいるメリ―以外全部売ることするよ」
「最初のメリ―だから一号って呼ぼうよ」
「あと、最近技術者が襲撃に合ってるからあなたも気をつけた方が良い、メリ―を売ったら目を付けられるかも」「気をつけるよ」
その後、お金が大量に懐に入ってきた。
「ボス」「なんだ」部下が小さいロボットを持ってきた。「このロボット使えそうです」「お前はどこが使えると思ったんだ?」「高いですが、小さいのに人間並のパワーがあり、改造も可能という点です」「いい判断だ、設計図を奪ってこい」
「分かりました」優秀な部下を持ったものだな。
いつも通りに、家のテ―ブルでコ―ヒ―を飲んでいるとドアから物音がする、「メリ―か?」
「おい、ロボットの設計図を寄越せ」
銃を突きつけながら男が家に入ってきた。
「分かった」「そうだ場所を教えろ」
銃を突きつけられながら、階段を登り、部屋に入る「どうしたんですかご主人」メリ―が真剣にたずねてくる「ちょっと設計図を渡さないといけなくなって」タンスを開けて紙を探す、
「はい、これです」「これは何だ」
「履歴書ですよ、こんな馬鹿な事してないで、まともな職業に就いたらどうなんですか」
「舐めやがって」拳銃を向けられる、
お客様にはメリ―を売れるけど、こんなやつには
設計図渡せないよ。引き金が引かれた瞬間、自分の体が衝撃で跳ねたのを感じた、血が窓ガラスに飛び散り背中が地面に落ちる、「体格が小さいインテリにここまでコケにされるとはな、みせしめに、耳や目を取っておこうか」そうつぶやいていた瞬間、メリ―が強盗に飛びかかったんだ、強盗の腹に鉄の蹴りが入る、強盗は腹を抑える感じで前かがみになりながら後ろに下がったんだけど、
そこにメリ―が追撃を入れる、強盗は銃を撃つが、メリ―が小さくて照準が定まらないのか
(早く動いているから、それでかも)銃弾が当たらない、強盗はメリ―にジャンプして殴られ、階段の手すりにぶつかった、手すりを背中に強盗は
サンドバッグみたいに殴られ続け、助走を付けたパンチで手すりを乗り越え、放物線を描きながら一階に転落していった、「ご主人、死なないで」
人間だったら泣いてると言わんばかりの表情で
メリ―が見ている、こんな風に看取られて幸せに逝けるなんて、ああ、ほんとに幸せ、意識が遠くなる、もっと見てたいメリ―の悲しい表情も霞んでいく、「………」「勝手に悩んで、勝手に納得して、死んじゃうなんて、そんなのひどいよ、置いてかないでよ、ご主人」目が覚めると病院のベッドの上にいた、隣に椅子に座っているメリ―が居る、「あっご主人生き返った!体は大丈夫ですか?」「大丈夫だよ」「良かった」「あの、メリ―に質問があるんだけど、いいかな」「なんですか?」「なんで僕は死んでないんだ?」明らかにあの体の状態じゃ死んでいたはず、自分でもそう思っていたのに「何かしたのか?」「私、布を持ってご主人の止血をしようとしたの」
「その時にご主人の肌に触れるとご主人の体が治っていったの」「その後に救急隊が来てご主人を運んだの」「……」この話はメリ―が能力者みたいに聞こえる、でもロボットが能力を使える様になるものなのか?謎が浮き上がってくる、
でも一旦は無事である事を喜ぼう、
「ありがとうな、メリ―」「えへへ…」
病院を退院した後、僕は金槌社でメリ―についての資料を読み漁っていた、先代社長は人間をデ―タ化する技術を生み出した後、突然メリ―の開発を初めている。ロボットが能力を使えるなんておかしい、メリ―には何かがある、
設計図とメリ―を見比べる、すると、おかしい
構造がある、頭に穴ができている、こんな穴は作らなくてもいいはずなのに、「メリ―、頭覗かせて」「了解!」メリ―の頭をよく見ると開く事が出来る場所がある、開いて見ると、
「やっぱりな」何かの差し込み口があった、
内部機能を補助するものかもしれないが、能力の
謎を解く部分はここだと思う、人間の中には能力を使える奴が、たまに現れる、これは法則だ
そして僕はロボットが能力を使えないと思う、
つまり、このロボットは人間に寄せて作られ、
そして能力を発現させる為に作られた訳ではない、「人間をデ―タ化してロボットに移植しようとしていたのか」自分の中で答えが決まった、
その時、上司がやってきた「社長がお前をお呼びらしいぞ」(何だ?触れちゃいけない事に触れてしまったのか?)社長室のドアを開けるとそこには
少年の様に改造されているメリ―の姿をしているロボットがいた「やあ初めまして、君がメリ―を一から作り直したって人か」ロボットが喋っていた、「他に協力してくれた人もいるんですけどね」「まず私の正体を明かそう、私の正体は金槌社の先代社長であり、現代の社長でもある少年型ロボットだ」「そうですか」「盗聴機で話を聞いていたんだが、君の予想はあっている」
「私は人間のデ―タ化の技術を完成させた時、年老いていた、世継ぎを探したが社長に相応しい人物がいない、だからロボットを作り自分の記憶を移し変えて会社を存続させようとしたのさ」、「オリジナルの自分は寿命で死んだ、そして遺書に私の記憶を継承したロボットに会社経営をさせろと書いた、だから私が社長なんだ」
「まさか、メリ―を作り直す奴がいるなんて思いもしなかったよ、メリ―の製造や改良は順調らしいじゃないか」「君はセンスある優秀な社員だよ、生物を融合させる機械の合同製造に配属してもいい」「大丈夫です、私はメリ―の生産で十分ですので」「それよりも社長、どうしてメリ―の姿や性格をあんなふうに作り上げたんですか?」
「それはな私の趣味だ、ロボットは体を改造できて性格も変えられる、だから試作品の機能以外は私の好きにして良かった、私は当時、死にかけでな、でも職人魂を抑えられず、どうせ死ぬんだからと癖を盛り込んだんだよ」「社長!最高です!一生ついて行きます」「君とは趣味が合うかもしれんな」それから業務時間が終わるまで社長とメリ―について話しあった。「なにかあったり困った事があったら、ここに連絡してくれ」「分かりました、ありがとうございます」社長室を出ていく「彼は才能と情熱がある、会社を支えてくれる柱になってくれるかもしれん」
「そんな秘密があったのか」「これは金になりそうだな」人生、チャンスは滅多に巡ってこない、先代組長は組を継いだはいいものの警備員に怯えて組で活動しなかった、何もしなかったら組は衰退あるのみ、それを私が継いだからには金を稼ぎ、組をもっと大きくしないと、このロボットを手に入れたら、力が手に入る、記憶も引き継げるなら組員を増やせるし、売買で沢山金稼ぎが出来る、これはチャンス、この調子でいけば金槌社を乗っ取ることだって容易だ。
「おい、明日ロボットの設計図全員で取りに行くぞ」「ああ、組員殺したケジメも取らせて貰う」「計画は…」真っ昼間から堂々と襲撃に行く、家のドアを部下がバ―ルで壊す、すると
家から警報が鳴りだした、「気にするな、入れ」
家の中からロボットが大量に出てきた、
ここまでは想像通り、「野郎ども敵討ちの為だやれ」ただこちらは設計図を手に入れたら勝ちだ、
部下に戦わせて、ロボットの設計図と製作者を探す、すると窓から、少し遠くの車が動くのが見えた、そのまま走り去って行く「逃げたな」
「だが車の番号は覚えた」「ボス、逃げられたならアジトに帰りますか?」「まだ、作戦は終わっていない」逃げた奴が通報したのか、警備員が集まってきた、そしてロボットと部下が戦っている所に銃を撃つ、そしてそこに残ったのはロボットの残骸と、一発も弾丸が当たっていない部下だった「警備員さん」「やあ、ひどくやられてるね」「ありがとう、助かった」私の組は
計画の為に、警備員を大金で買収しておいている、「怪我した奴は置いて追跡するぞ」
予想出来る、奴が逃げた場所の可能性は2つ、
警備員が居る場所と金槌社。警備員が居る場所は
潰してあるから、金槌社に向かったとするなら、この昼の時間帯の金槌社への道は渋滞が発生する、つまり、道路を探せば見つかる可能性がある、見つからなかったら、引き上げる。
「これで見つからなかったら大赤字なんだが」
大量の車と共に、道路を走り抜け渋滞を見つける
「これほどまでに渋滞にあって嬉しかったことがない」車から降りると走りながら車の番号を
確認する、頭の中で何度も車の番号を反芻する
すると、前方のピッタリ同じ番号の車が走り去ろうとしていた、そこで銃を取り出しタイヤに撃つ。すると、反対側のドアから電話をしながら男とロボットが出てきて路地に駆け込んでいった、「なる程、路地なら車が入れないからな」警備員に電話をかけても無駄だ、助けてくれやしない
「おい、路地に逃げ込んだぞ」部下達に声をかけた時、パンクした車から大量のロボットが出てきて部下達に襲いかかった、不意を突かれたのか
動けなくなっている部下は少なくない、
「すまない」部下を置いて、設計図を奪いに走る。私を見つけたロボット3体が追いかけてきた。ロボットの小ささに銃は使えないと判断し、
駆け寄ってくるロボットが殴ってくるのに重なる様に蹴りをいれた、蹴りで上げた足を近づいてくる2体目のロボットの顔にぶつける、3体目から距離をとりながら、2体目に近づき、落ちているコンクリートの塊を振り下ろす、砕けたコンクリート片を1体目のロボットに投げた後、3体目に壊れた2体目のロボットを叩きつけ、足の部分を撃つ、そして部下が戦っている所あたりにぶん投げる、「これでもう追ってこれないな」
路地を進んでいくとそこは行き止まりだった
そこに男が見えた瞬間、銃で撃ち抜いた
近寄って真っ赤に染まった白衣のポケットから設計図を取る、「お前の血で設計図が真っ赤だな」
「おまえの金槌社の修正液で直すがな」
作戦完了だ、部下と戦っているロボットも時間を稼げばダチの警備員が来て始末してくれる、
後は、仲間の敵討ちだけだ。倒れている男を
ぶん殴る、すると、影にいるロボットが倒れている男の体を治しはじめた。金になりそうだったが
それよりも敵討ちの方が大事だ、
「これがニュースでやってた部下殺ったロボットか」地面に叩きつける様に殴るがロボットは治すのをやめない。「この期に及んで時間稼ぎか、
こんなロボットごときに優秀な部下をよぉ!」
思いっきり力を入れて踏みつける、
「僕はメリ―を売ったんだ、おまえの部下よりも価値があるメリ―をな」
「だから、お前の部下の命くらいなんてことない!」「自分に矛先を向けようとしても無駄だ、殺すんじゃなく拷問にかけてやる」
「お前の大事なロボットが壊れるのをそこで見ていろ」振り下ろす様に何度もロボットを殴り続ける「やめろ―――!!!」「お前にもわかったか部下を失う苦痛の味を」男は潰れて半分だけ割れた空の卵の様になったロボットを見て泣いていた、
「次はお前の番だ、部下の苦痛を…」
その時、後ろから音が聞こえた、「おまえらか」
後ろを振り向いたら、戦闘服を着て銃を持った小さいロボットがたくさんいた。次の瞬間、蜂の巣にされる。地面に倒れた所に更に一斉掃射が
「こんな人間の道具の下っ端なんかに」
僕は放心していた、戦闘服を着たロボットやマフィアなんかも、どうでもよかった「メリ―…」
「ヒロト君、大丈夫かね?」電話で、戦闘様ロボットを連れて駆けつけて来てくれた社長が声をかけてくる。「このメリ―はもうだめだね、作っている君がよく分かっているだろう?」「…………」
メリ―はパソコンじゃない体を直さないと内部デ―タや記憶は戻らないだろう。だがこの状態じゃ
「今救急隊を」「金槌社に向かって下さい」
「大分出来上がってきたな」「主任、お客様が」
「なんだ」開いた扉を見ると大きく怪我した
ヒロトと壊れたメリ―、少年の格好のメリ―がいた。「突然どうしたんだ」「お願いがある、俺とメリ―をくっつけてくれ」驚きすぎて逆に冷静になった「病院に行った後、新しくメリ―を作ればいいだろ!」「試作品なんだ、命を落とす可能性が高いんだぞ」「一緒に作ったお前ならわかるはずだ、家族みたいだっただろ」「妹みたいに接していたお前ならわかるはず」「お前は勘違いしている、この融合装置はそんな便利なものじゃない」「頼む、ここで認めてしまったら僕の大事なものが壊れちゃうんだ」「…」「僕がお前が好きな所は誰か、から嫌われても情熱を持って突き進む所だよ」「2.26555555555…だ」「?」
「融合の配分だよ」「あまり大きく融合すると機械化して即死するからな、薄く被害を引き延ばしてうやむやにしろ」「勝手にするといい、僕は止めたからな」けんじは開いた扉から出ていった
(ありがとうけんじ)そう思いながら融合装置の配分をいじりスイッチを押した。
目を覚ますと金槌社の保健室にいた、体の傷が塞がっている「ヤッホ―ご主人?」空中からメリ―が顔を出した、やった成功したんだ。
「これも私のご主人への愛のおかげですね」
「そうだな」話を聞くと、融合した瞬間、僕は
グチャグチャになる程の大ダメージを受けたらしいが、動ける様になったメリ―が治してくれたらしい。「直ったのは嬉しいけど、ご主人が危険になるのは絶対に駄目だよ」「でも後悔してないよ」メリ―と話していると「社長がお呼びです」
と言われた。「融合装置の件の罰かな」
「怖いね」社長室に向かう途中にあいつもいた、
「よう、どこ向かってんの?」「社長室」
こいつも、社長室に呼ばれたらしい。
「どういう理由で呼ばれたと思う?」
「あの社長の性格だし、叱るってのはないんじゃないか?」「僕が融合の試作品の実験レポートにお前らの事書いたら、色んな所が大騒ぎしてる」
「だからそれについて褒めてくれるんじゃないかな」「ご主人、二人共々人気者ですね」
「人気者の方向性が違うけどな」
「うおお、宙に浮いてる、実際見ると凄いな」
「配分はやっぱり完璧だったな」
「あれはどうやってだしたんだ」
「お前が死ぬんじゃないかと思って必死でそのばで頭を絞って作り上げた配分だから」「これからおまえらが融合の参考品になるんだ」
「へぇ~」喋っているうちに社長室についた
ノックして入る「やぁやぁよくやってくれた、
さぁ話そう」元気に話す少年型メリ―の長くて明るい話を二人と一体?で業務時間が終わるまで聞き続けた。