広々とした無機質な空間に
1人残される僕。
耳鳴りが起こり、妙な胸騒ぎがする。
僕は留守番が苦手だ。
普段生活している空間も
人が居なければ 恐怖へと変貌する。
空「……怖い…」
こんな年になっても、留守番が怖いなんて
兄ちゃん達に
馬鹿にされるかも知れない。
本当に自分が情け無い。
でも怖い。
怖いことに変わりは無い。
古びた家具が僕に敵意を向けている様に見える。
今すぐ異物を排除してやろうと
強い殺意を感じる。
空「早く……帰ってきて…… 」
兄ちゃん…
ガラガラガラ
扉の開く音がした
陸「ただいまー」
海「あ”ー疲れた…」
空「…!!」
空「に…ぃ…ちゃ……」
気づけば視界がぼやけていた
膝が雫で湿る
陸「おい!どうした!」
海「お前…泣いてるのか?!」
空「……に”…ち”ゃん……」
横隔膜を痙攣させ泣き噦った
空「う”ぅっ……ヒック…」
陸「大丈夫か…?」
海「ったく、怖がりだなぁ……」
あったかい手で
一生懸命背中を摩ってくれる。
そんな兄が大好きだ。
終
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かわええ