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「偽物肝試し」
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これは数年前、急死した友人から聞いた話だ。
ある初夏の夜、友人と他4人で肝試しへ行ったそうだ。
A君、S君、K君、N君そして友人のメンバー。
肝試しは、住んでた街の寺で行われた。
勿論、自分も知っている寺だった。
でも自分は多忙で行けなかったんだ。
そして、肝試しが始まり、薄暗い寺の中を歩いたんだ。
其の時、A君が
「な,なぁ、さっきから変な視線を感じないか?」
最初はただの冗談だと思ったらしい。
でもそれは本当だったみたいだ。
それからまた歩き始め、ある墓場に着いた。
すると、今度はN君が
「さっきから寒気がするんだ…」
と、体を震わせた。
流石に友人も違和感は感じたらしい。
でも、途中で帰る訳にも行かず、そのまま進んだ。
そして、高い階段を登る事になった。
ぎしぎし…みしっ…
古い階段のせいか、ぎしぎしと不快な音を立てる。
ぽちゃんっ……ぽちゃんっ……
何処からか水滴の垂れる音が聞こえた。
5人で長い階段を登っていた。
「あれっ、?」
S君が何かに気がついた。
「おいおい、お前もかよ今度は何だ…」
流石に違和感を感じた友人が問いかけた。
その時だった。
ばきっ…!
枝のような何かが折れる音がした。
でもすぐに
ぎゃぁぁぁぁぁぁ
と云う悲鳴が聞こえた…
「お、おい流石にやばいんじゃ、」
5人は少し階段を後ずさりした。
1番後ろにいた、A君が
「ね、ねぇ、!Kは何処に行ったの…!」
気づけばそこにKの姿はなかった
よく思い出せばさっきの悲鳴はK君に似た声だった。
「おいおい、まじかよ…… 」
友人は冷や汗を垂らし、ぶるるっ、と震え上がった。
キィィィ……
古い扉が開く音がした。
ずりずり……
みしっ、みしっ、
何者かが近づいてきた。
ぽちゃん。ぽちゃん。
「お、おい!なんか来るぞ!」
S君が声を上げた
ぎしぎし……ずりずり…
何かを引きずり近づく足音。
でも暗くて何も見えない。
「ちょ、ちょっとスマホのライトで照らしてみる、」
N君が手を震わせながらライトを付けた。
足音の聞こえる方へライトを向けた。
その時、
うぁぁ”……
男だ、男のうめき声だ、
いや違う、
女が……
女がK君の死体を引きずり回している……
ずりずり……ぽちゃん、
女の長い髪から、ポタポタと水滴が垂れてくる。
友人はすぐに気がついた
さっきなった枝のようなものが折れた音、直後に聞こえた悲鳴、
これは
K君の骨が折られ、体に激痛が走るK君の悲鳴だった。
「もうKのことは諦めろ!全員逃げるぞ!」
友人の言葉に、K君除く3人は逃げ出した。
無我夢中に後ろなんて振り返らず、
走った。とにかく、全力で
そしてN君の家へ着いた
初夏の薄暗い午後6時に始まったので、
着いた頃には午後9時だった。
幸い、N君の家族は起きていて、ずかずか入ってくる友人達を心配した。
「何があったの!」
と焦ったN君の母親が聞いた。
「Kが…Kが殺された!」
N君が言った。
「N君の母親はすぐにK君の家へ電話をした」
「もしもし!?K君のお母さん!」
「肝試しに行ったK君が殺されたって!」
「今A君達を預かっているんだけど、」
「え、N君ママ,何を言っているんですか?」
「Kなら家に居ますよ?」
それを聞いた瞬間、
友人達は震え上がった。
確かにK君は肝試しに参加していた。
なのに何故…
「あれっ、……」
A君が云った
「そういやK、今日全然喋ってなかったよな。」
良く考えればそうだ
K君はよく喋るお調子者で、喋らない日なんて絶対にない。
なのにその日K君は喋っていなかった。
「じゃあつまり、俺達が一緒にいたKって、」
まぁ、そう思っていた。
其の時一緒にいたK君は偽物の誰かだったらしい。
そして亡くなった友人の死因は
自殺だった。
それも、遺言と言えるメモには
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。