今日は、七夕。
年に一度だけしかないイベントだ。
みんなは短冊に願い事を飾る。
街中では、子供たちがキャッキャと喜んでいる。
「ねぇ!おかさん!七夕ってなんで願い事を飾るのー??」
「それはね、笹の葉に飾ると織姫と彦星の力で願いを叶えてくれるんだってニコッ」
「じゃあ!何でもいいの〜?」
「うん。いいよ」
「へぇ〜!じゃあ、織姫と彦星に感謝しなきゃね!」
…なんでも…ねぇ…
そうえば、今日は…まろが亡くなった日だ。
「2人で一緒に七夕に願い書こーや!! 」
と、2人で書きに行った時の横断歩道。
運転手の操作の誤りで、まろは轢かれた。
俺の前には青髪で身長の高いまろが俺の目線からいなくなり、
髪も赤になり、地面が赤に染まっていた。
運転手は轢き逃げ。周りにいた人が救急車を呼んでくれたが、
そのまま…息を引き取った…
あの無邪気で愛くるしい笑顔はもう見れない。
「願い事…」
思い出せば出すほど体が重く感じ、視界がぼやけてきた。
俺は、青い短冊に黒で
「もう一度、まろに会えますように。」
と、書いた。
夢でもいい、会えなくてもいい、ただこの想いが伝わって欲しい。ただ、それだけが願い。
描き終わった短冊を笹に付け、重い足取りを1歩1歩踏み出して、家に帰った。
家に着き、やることを全てやりベットにダイブ。
なにも考えることもなく、ただ目を閉じ眠りについた。
目が覚ますと、、ってここはどこだ…?
見慣れない場所。
確か、おれは家のベットで寝た、、、
「…あっ!!いた!」
…、あれは、
「久しぶりやね〜!!!」
亡くなったはずの、まろだ。
一瞬思考回路が止まり、口を動かす暇も無かった。
「…会いたかったポロ」
「ようやく会えた。ずっと待ってたポロ。この日を」
「…俺も会いたかった。久しぶり。元気にしてた、、、?」
「もう死んじゃったから元気もなにもないけど…一応元気やったニコッ」
この曖昧な回答も、全部が久しぶりだ。
「…俺今日、短冊書きに行ったんだ。」
「本当は、会えないだろうと思ってたけどほんとに会えて、良かった。」
「…一緒に短冊書きに行けなくてごめんな」
と、目に涙を溜め、下を向いている。
「…いいの、こうやってまろに会えたんだから。 」
「会えただけでも、感謝しなきゃ。」
そっちはどうだったかや、最近はどうかなど、久しぶりで逆にあまり話せなかったが
とても楽しく過ごせる時間だった。
「…もう、朝が登るよ。」
「…お別れの時間が迫ってきちゃった…グスッ」
もうそんなに経ったのかと思うと、とても時間が短く感じた。
「…ねぇ、まろ。俺、こうやって久しぶりにまろに会えて、、ほんと、、”」
「嬉しかっ”た…ポロ”‘」
「そして、”“…寂し”“か”った…ポロポロ」
「…それは、まろも同じやからッ”“」
「いつ、また会えるかな〜って”ポロ思う日ばっか”“」
「だけど、今日”会えてッ…”‘良かった…ポロポログスッ”“」
「じゃあ…グスッまた、いつか会おうね、、ニコッ」
「…おん!絶対会おうな!…」
目を覚ますと、そこは自分の家のベットの上。
現実に戻り、また寂しい思いをしたが、
願いは届いていた。
だから、
この、寂しい思いも届いてるはずだから、
寂しいとは思わず、
ただ……
まろをずっと愛してる想いで入れば、
まろも喜ぶはずだ。
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