オカ研の部員2名が覗きをしてきた4日後。放課後の教室には、授業そっちのけで大笑いをしている3人の姿があった。
「いやーマジ、あそこまでビビるとか思ってなかったんだけど!」
時折引き笑いそしながら、ユーミンが床に転げる。
「なに、ちょこっとイタズラをしただけだ。あやつらにはこれくらいがちょうど良かろう。」
「でも、一体なにやったんですか?僕ブレーカーをいじっただけだったんですけど…?」
「ああ、そういや説明してなかったっけ?それがねー」
時は昨日に遡る。
ユーミンと瑠美に頼まれた山ちゃんは、職員室のブレーカーを調節していた。
「うぅ。これって不味くないですか?放課後とはいえ、先生たち居るんじゃ?」
通話中のスマホへと話しかける。
「山ちゃん知らないの?今日は先生たちの研修で、放課後は誰もいないの!つまり、イタズラし放題♡」
「先生たちが帰ってこないか不安じゃないんですか?」
「問題ない。研修後、各々直帰することは確認済み。穴は無いぞ。」
「じゃ、準備できたらまた連絡よろ!」
ユーミンは通話を切り、やってきた部員たちの後ろから近づき、1人を教室の中へ引きずり込んだ。
「ちょっと待ってください!いくら何でもあんな暗闇の中で、音もなく人が攫えますか!?」
話を切るようにして叫ぶ。
「うちにあった暗視ゴーグルとスタンガンがあれば余裕!しかもそのスタンガン、跡も残らない上に音も出ないんだよねー。」
「お金持ちって何処にお金使ってるのかイマイチ分からないです…。」
(そういえば、お父様は蹴鞠の鞠に金をかけておった…。)
話は戻り、ユーミンは教室に引きずり込んだ部員の1人に、白粉とコンタクトを付けさせる。コンタクトは瞳が真っ白に染まるタイプのものだ。その後、山ちゃんからの連絡を受け取り、ユーミンは部員を担いで布と帽子で身を包み、部員たちの前へ出て行った。案の定、部員たちは驚きながら階段を駆け下りたが、そこには瑠美が設置した壁がある。その後ユーミンが部員たちへ追いつくと、マスクを取って見せ、部員たちをもの見事に気絶させた。
「なるほど。布にフックをつけていたのは、マスクをズラすためでしたか。」
「そゆこと!まあ考案したのはルルミンだけどね。」
「なかなかであったろう?」
「結局、その部員の人たちはどこに?」
「カタハッシーに見つかったらしくって、ばっちし指導されたよん⭐︎」
「うわ…ご愁傷様です。」
「まあこれで邪魔は居ないでしょ。良かったねールルミン!」
「うむ」
「あ、そういえば、お手伝いの方にお礼言っといてください。ブレーカーの調節助かりましたって。」
「え?誰のこと?」
「え?僕の方にお手伝いの方寄越してくれたんじゃ?」
「そんなやつ頼んでおらぬぞ…。」
「「…え?」」
後日談である。その後、3人は数日間だけ放課後の授業をお休みしたそうだ。
おや?あなたの後ろに居られるのは、どなたかな?
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