こんにちは。
小説を書くのは初めてです。
初心者なので下手なところもあるかもしれませんが、これからよろしくお願いします。
記念すべき第一回目の小説はミセスのbl小説です。
もとぱです。
口調がおかしいところがあるかもしれません🙇♀️
地雷の方は今ここで閉じることをオススメします。
サラリーマンで 同期という設定です。
※モブ若表現あり
夜11時。
静かなオフィスの中でタイピング音だけが響く。そんな中、音を立てている本人、大森元貴はため息をついた。
「はぁ、」
(疲れた。 あのクソ上司また仕事押し付けてきやがって。)
3日連続残業でろくに寝ていない大森は苛立っていて少々口が悪くなっていた。先程まで文字を打っていた指も3日間立て続けとなると筋肉痛になりそうだ。辞めたくても他の会社に比べればわりとホワイトな方だったので止めようにも辞められない状況が続いている。
そんな中彼は横にいる人物をみる。
その人物を見てまた出そうになったため息を押し殺し作業に戻りながら大森は心の中で呟く。
(なんでこうなったんだよ、、。)
“こいつ”とは大森と同期の若井滉斗。身長も高めで、顔も整っており女性社員から人気がある。加えて話上手なので商談や取引先にはとても気に入られている。いわゆる陽キャの部類だ。そして大森の最も苦手な人種である。そんな彼がなぜここにいるのか。それは少し前に遡る。
二時間前
(あぁー、眠い。)
大森は眠い目を擦りながら上司に押し付けられた書類を片付けていく。日付が回るまでに終わるか怪しい量で気が遠くなるが、睡眠はしっかりとりたい派なので手を休ませること無く仕事をする。
そろそろ缶コーヒーの中身がなくなってきたところで、ドアが開く音がした。
少なからず大森はその音に驚き振り向くと、入ってきた人物を見て更に驚いた。
その人物とは大森と同期の若井滉斗だった。
「あ、よかった。まだいた」
彼はそんなふうに呟きながらこちらに歩いてくる。まだ驚きを隠せない大森は何も言えないままこちらに寄ってくる若井をただただ見ていた。
そして当たり前のように横に座ってくる若井を見て大森は口を開いた。
「えっとー、何か、?」
自分でも口下手なことは分かっているが、苦手意識をもっている相手と話すといつも以上に言葉選びが下手くそになる。早く会話を終わらせたいという意志が相手に伝わってしまうくらいには。だが、この男だけは例外だということを知っている。
この男 若井滉斗は鈍感なのだ。
普段、上司や取引先と会話する時は相手が欲しい応えを瞬時に感じとり対応するいわゆる完璧超人なのだが、普通の会話となると話は別になる。
簡単に言うとスイッチのONoffがあるのだ。普通の会話となると神経を使わなくていいので気が緩んで察する能力が著しく低下するのだ。つまり、僕と会話するときのこいつは察し能力ほぼゼロのマイペース無能男になるということだ。(言いすぎたかもしれない。)
だからこいつと会話するのはとても疲れるのでなるべく避けてきたのだがこの状況になるともうどうしようもないので、残業+若井滉斗=苦 という方程式が作れたので今夜はもう脳死状態で作業を進めるしかないようだ。ハハッ、
「あの、大丈夫、?」
やべ、思考に集中しすぎて全然話聞いてなかった。
慌てておれは聞き返す。
「ごめん、聞いてなかった、。何、?」
もしかして追加の書類とかかな、そうなったら潔く死を認めようじゃないか。
そんなことを考えていたが、返ってきたのは予想外のものだった
「いや、俺も手伝うよって、言ったんだけど、、」
で、今。
あの後僕はもちろんテンぱって断ろうとしたけど、それより先に若井が半分くらいの書類をもって作業を始めちゃったから、仕方なく一緒に作業をしている。始めは気まずかったが、 別にあまり話しかけてこないしむしろ普段の倍早く終わってとても助かった。どういう 風のふきまわし か分からないがとりあえず感謝しとこう。
「あ、ありがとう。助かった。」
普段なれていない言葉を口にしたので多少ぎこちなくなってしまったが一応伝えた。偉いぞ僕。
そんな僕を横目でみながら若井は何故か申し訳そうな顔をしながら、
「いや、、」
何でそんな顔をするのか分からなかった僕は
「どうした?」
と、率直に聞いた。
「んー、!いや、何でもない!」
そう笑顔で言う彼に特に疑問も持たず僕たちは会社の前で別れた。
その日から僕と若井は仲良くなった。
話していくうちに僕も彼も心を開いていって、残業の時間も段々苦にならなくなってきた。会社で始めて出来た友達が若井になるとは思っていなかったが今はそんなことが気にならないほど若井と一緒にいることが楽しくなっていた。
でも、僕は若井と出会ってから少しずつおかしくなっていった。
いつも通り仕事をしていても若井の声がすると集中力が切れてそちらを向いてしまったり。若井と距離が近くなると意識してしまったり、。若井が他の人と仲良く話していたりすると胸がいたかったり。時には自分でも驚くくらいの汚い感情を胸のなかで生み出してしまったり、。
僕は若井にどんな感情を抱いているのだろう、。それを知るのが少し怖い自分がいる。
そんな日々が続いたある日。
始めて出会ったあの日から毎日あった残業を若井が手伝いに来なくなった。
もちろん手伝うことが当たり前ではないのでそういう日もあると思っていたのだが。
次の日も、また次の日も若井は来なかった。
会社には来ているので理由を聞き出そうとも思ったが、若井は忙しいのであまり話せる時間がなく、時間は刻々と過ぎていった。
そんな日が続き、今日も僕は残業をしている。でも今日はあまり気分が乗らなかったので家に持ち帰ってすることにした。
さっさと荷物をまとめて帰る準備をする。
若井と話せるかと思ったが彼はオフィスにはいなかった。
がっかりしながら廊下を歩いていると、若井の姿を見つけた。
でも一人ではなく、僕に仕事を押し付けてくる上司と一緒にいた。僕はあの上司のことが苦手だったので話しかけるのは諦めようとしたのだが、次の光景を目の当たりにして僕は目を疑った。
上司が若井を無理やり部屋に連れていったように見えたのだが、見間違いだろうか。でも見間違いじゃ無かったときがヤバイので僕はその部屋まで走った。
「はぁ、はぁ、」
普段運動をしないので息がすぐに切れる。
息を整えながらドアノブに手をかけて部屋に入った。
そこには、
「ん”~っ!!」
口を塞がれながら服を脱がされかけている若井と興奮しきった上司の姿があった。
「は、?」
一瞬理解ができなかったが俺は若井の危機だと思いスマホを取り出して写真を一枚撮った。
そしてすかさず二人に近づくと上司の腹を蹴り飛ばし若井をこちらに引っ張った。
「ぷはっ、!も、もとき、」
若井は息ができなくて苦しかったのか始終咳き込みながら僕の名前を呼んだ。
「あ、ありが」
「お礼は後!逃げるぞ」
僕は若井のお礼を遮って若井の手を握ったまま走った。
上司は地面に延びていて追ってきそうな気配はなかったが、今は若井とあのクソとの距離を離すのが先だろうと思い走った。
会社の外まで逃げると体力に限界が近づいてきて自然と足が止まった。
「はぁ、はぁっ」
二人とも走り疲れてそのまま近くの公園のベンチに座り込んだ。
ようやく息が整ってきたころ、先に口を開いたのは若井だった。
「ありがとう、助けてくれて。」
「別にいいけど、何であんなことに?」
若井は少し暗い顔をして、思い口を開いた
「話すと長くなるんだけど」
「若井くん。今日もよかったよ。取引先の人若井くん気に入ったってさ!」
上司に話しかけられる。もうこの言葉はテンプレ化するほど聞いてきたので俺の反応はいつも一緒。
「本当ですか!よかったです!」
俺はそれだけ言い残しその場を去ろうとしたのだが、上司に引き留められる。
「まぁ、若井くんは僕だけのお気に入りでいてくれないと困るんだけどね」
気色の悪い笑みを浮かべながら俺の腰に手を当ててくる。この行為には何時までも馴れない。頭のなかが気持ち悪いという感情で埋まる。こいつはいわゆるセクハラというものを俺にしてくる。こいつに目をつけられたのは女性社員にセクハラをしていたところを注意したら何故か俺のことが気に入ったらしくあれから毎日セクハラを受けている。逆らったら他の社員に迷惑がかかるかもしれないので俺はいつも何も出来ない。気持ち悪いので、呼び出されたふりをしてその場を抜け出す。
あとどれくらい耐えればいいのだろうか、。
そんな中最近上司も仕事が忙しくなってきたらしく俺に近づく暇もないくらいになってきた。やっと解放されると思ったも束の間、今度は他の社員に仕事を押し付けて絡んできやがった、。俺は何か理由をつけて逃げ出したく、その社員の残業を手伝うことにし、セクハラ上司から逃げ続けた。
その被害者社員の大森元貴と仲良くなり一緒にいることが楽しくなってきたころ、上司に呼び出された。始めは断ったら潔く退いてくれたが、段々エスカレートしていき残業後に駅で待ち伏せをしついてくるようになった。気持ち悪くて元貴には悪いが残業をせずに定時で家に帰っていたら、今度は無理やり空き部屋に入れられ襲われるところだった、。
そんな時元貴が部屋に来てくれて俺を助けてくれた。びっくりしたけど、安心の方が勝っていた。
元貴には感謝してもしきれない。
「そんな事が、、」
僕は想像以上に若井が苦しんでいたことを知って自分の無力さに胸がいたくなった。
「ごめん、俺がもっと早く気づいていれば、」
若井は頭を下げる俺をみて笑った。
「なんで元貴があやまるんだよ。元貴は俺の事助けてくれたじゃん!」
なんで、
怖かったはずなのに。
どうして笑顔を見せられるのか、。
優しすぎる彼を見て僕はまた胸がいたくなった。
「でも、明日からどうしよう、 元貴、会社クビになっちゃうかも、、」
「それなら大丈夫。ほら」
僕は若井にスマホの画面を見せる。
そこにはさっき撮ったセクハラ証拠写真が写っていた。
「それ、、」
「若井が襲われてるとき咄嗟に撮ったんだ。若井の話を聞くに他にも被害者の子はいたんでしょ?だったらこの写真を警察につき出せばあいつは二度と社会には復帰できないよ」
「元貴ぃ、」
「お前、マジで天才っ?」
困り眉になっている若井を見て思わず吹き出す。
「ふはっ笑、ありがと。」
別に可愛いなんて思っていない。断じて。
それから事が動くのは早かった。
僕は写真を警察と会社の一番偉い人に突き出しそのクソ上司は無事クビになった。
一番喜んでいたのは女性社員達だった。皆苦労してたんだなぁ。若井は今の会社を止めずに続けている。トラウマになる事をたくさんされてきたのに笑顔なのはすごいと思った。あと、若井は引っ越しをした。クソ野郎に家を特定されていたらしく色々危ないので僕のマンションに引っ越したらしい。偶然でもとても嬉しい!
若井とこれから一緒に帰れるかもしれないという嬉しさ!神様ありがとう。
そして、僕は若井に向けているこの感情が恋だということに気づいた。遅くない?だと?うるさい!
もちろん打ち明けるつもりはないが、楽しくやっていけたらなと思う。
「元貴ー!一緒お昼食おうぜ!」
「うん!」
じゃ!皆またね!
ここまでご視聴いただきありがとうございました。
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