呪縛に縛られ 才能に縛られ 心に縛られ
そんな蝶々を繋いだのはたったひとつの音だった。
奇跡か、偶然か、はたまた運命と呼ぶのか
進めない蝶は泣いていた。
自分の夢を否定され親愛の人に見捨てられた一匹の蝶は飛ぶことを諦めた。怖かったんだ。
進めない蝶は絶望していた。
自分の夢を親愛の人に否定された一匹の
蝶は飛ぶことを諦めた。悔しかったんだ。
進めない蝶は絶望していた。
親愛の人に秘密がバレて一匹の
蝶は飛ぶことを諦めた。終わりにしたかったんだ。
それでも蝶々は心の内にある光を信じていたんだ。
信じていたかったんだ。
もしかしたら、もしかしたらって。
ひとりの女性が風を与えた。
耳を澄ませば温かい音色が聞こえてきそうな、
手を触れれば儚く消えてしまいそうな
そんな宵に吹いた風を蝶々は、みな信じて飛んだ。
一歩進んだ蝶は飛んだ。
自分のやりたいことを、自分の行きたい所を信じて
もうひとりの親愛なる人にボロボロな羽を持って
告白をしたんだ。
「…本当は、医者になりたいわけじゃないの」
一歩進んだ蝶は飛んだ。
自分のやりたいことを、それは茨の道だろうが
親愛なる人に絆創膏が沢山ついている羽を持って
告白したんだ。
「私はやっぱり
絵を描き続けたい」
一歩進んだ蝶は飛んだ。
自分のやりたいことを、それは親愛なる人を
巻き込んでしまうだろうが羽の欠片をもって
告白したんだ。
「やっぱり…みんなと一緒にいたい」
ボクたちはいつだってボロボロの羽をもっている。
けれど飛ぶには、必要な傷で。
でもいつか、ちゃんと立派な蝶になれたとき
コメント
2件
全員が救われて欲しいーー! 雰囲気大好きです💞