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彼らは死んでいた。お前はもう死んでいると自然に言われた。北斗の拳featマッチョである。具体的に言うと全く生活できる見込みがなかった。レッツレンジョイお通夜テンション、heyとかいうくらいには疲れていた。
「ーーとりあえず、役割分担を決めないと」
はちゃめちゃ疲れた顔で姿月が言った。間違えた、紫月が言った。多分この一日で五歳は年取った。次々と同意するその他の者たちも年食ってたので同じだが。色々あった。魚を取ろうとした青柳が滑って海に落ちたり、それを助けに行った橙乃が丁度渦潮あたりに来てしまって割とガチで死にそうになったり、木を切ろうとして黄星の持ってきたチェーンソーが意外と役に立ったり。まあ兎も角、敗因は絶対に各々苦手な事に挑戦していたからだ、と紫月は纏めた。すとぷりは常に新しいことに向かって挑戦していくグループだが、こんな時に重要なのは命だ。
「なにやるー?」
「先ずは必要な事を挙げよっか」
その結果、「食べ物」「家」「猛獣」「トイペ」等の意見が出た。いや、最後は別に関係なかった。
「食べ物調達は僕やるよ!」
「お、流石猿」
「誰が猿だよ」
バナナ持ってきたやつが言う事じゃねぇだろ、と総ツッコミを受けながら青柳が勢いよく食糧調達係に立候補した。それに便乗したのはなんと黄星だ。あのころるぅとが…⁈と驚かれ腹黒るぅとと50回くらい連呼されるという茶番はあったものの最終的に主に茶化していた橙乃が紫月に〜つーれられーていっちゃった〜(家造り)ため、二人はなんだかんだアマゾンの奥地(訳、海と森)へ向かっていった。そして残された赤羽と桃宮だが、ここで重大な問題が発生してしまう。赤羽がもやしキングを超えたゴッドである為ガードとして全く役に立たないと言う事だ。
「どうすんだよ莉犬」
「俺はもやし……だわ」
「うん」
「てかこれ俺たちやる事なくね?」
「確かに動物出るとしても森だし」
ここにいても無駄だ。そう悟った桃宮と赤羽はお互いに頷き合って、この雄大なる自然を楽しもうと地にべたっと張り付いた。まあ、いってしまえば単なる昼寝である。サボりでも可。
さて、食料調達に出かけた二人だが。早速道に迷っていた。
「るぅとくん…ここ…どこ?」
「僕にもわかりません…」
バナナを求めて三千里。歩き続けた。しかし、日本にバナナはない。そんな都合よく食べられそうな果物も生えていない。この場合、野草や魚を取るのが優先なのだろうが、野草に関する知識も持っていない。
「とりあえずなんか草取っとこ」
「食べられるか分かんないけど…」
「食べてみればわかる」
「えぇ…」
手にいっぱい草や種を持ったところで問題が発生する。入れ物を持っていない。作っておけばよかったと後悔するがもう遅い。仕方がないので近くに生えていた草を使ってカゴを編む事にする。
「いった!これ手ぇ切れるんだけど!」
「うーーん、こんな感じ…?」
「なんでるぅとくん上手いの?」
過去にそういう経験をしたことがあるのか、黄星はやたらと上手いカゴを作っていた。ちょっと手を加えればオーガニックショップで売っててもバレないくらいのクオリティの高さに青柳は尊敬を超えて少し引き、ついでに自分の作っていたものを投げ捨ててちゃっかり釣竿づくりへと移行した。
「ころちゃん、カゴできました!……よ……?」
自分のオーガニックなカゴに早速野草を詰めながら隣を見た黄星はただひたすらに尖った石でツルを叩きまくっている青柳を目撃した。とうとう本当に猿になってしまったのか。
「…何してるんですか?」
「え、釣り糸作ってる」
「…え?」
青柳によると、こうしてツルをなん度も叩いて不純物を落としていくと繊維が現れるらしい。それを使って釣り糸を作ると言っている彼の評価を黄星はちょっとだけあげた。サルからホモ・サピエンスくらいまでは上げた。だが、その後繊維を取り終わり、髪の毛を先端につけるといいとかで黄星の髪の毛をむしりとろうとしてきた時再び評価は猿となった。髪の毛は自分でぷちってやってあげた。
「これを木の枝につけると釣り竿の完成!」
「すご!早速魚取りに行きましょう!」
「うん!で、るぅとくん」
「なんですか?」
「海……どこ?」
「……」
そして、二人は空に向かって「助けてーーー!」と叫んだ。
「ねぇさとちゃん」
「んだよ莉犬」
「なんか奥の方から助けてって聞こえない?」
「……確かに」
「行く?」
「……しゃーねーな」
「でもなんも持ってないとダラダラしてたってバレるから貝拾ってこう」
「サボりのプロいるって」