なんでも短編小説

誰もが安い家賃で、良い部屋に住みたい。そういうものだ。

誰だってそう。これを読んでいる君だって、今より安い良い部屋に住みたい。そう思うだろう。

それを叶えるのが私だ。

仕事は簡単。事故物件請負人。それはその名の通り依頼された物件を事故物件にすること。

どうやってやるのか。それは企業秘密と言いたいところだが、特別に教えてあげよう。

依頼人はまず、契約できた物件を私のところに持ってくる。とても素敵な物件を。物件を汚さない程度に、けれど少し問題が起きる程度に。自殺志願者を連れてくる。目の前で死ぬのを見る。ただそれだけ。

そしてそれを少し噂にする。あからさまな噂ではなく、事故物件という名前で。

そうすると勝手に会社と依頼人の間で、事故物件だからと名目で契約物件が安くなる。

あくまで私は表には出ない。

そうして依頼は完了。依頼人は何も知らずに良い物件に安くで住める。事故物件にした人間も願いが叶う。私はお金がもらえる。

これが私の仕事。

もしあなたも依頼したければこの事務所に来るといい。

すぐに依頼を叶えてあげよう。

事故物件請負人:END