少女の正義任務
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1 私の正義
ザザッザザ…
『本日の英雄を紹介させていただきます。国のために死んでいった人達のために感謝を。
高村 坂 様 坂本 歩夢 様
芽桜 小花 様……』ブチッ
「はぁ。こんなの見てられないっての…。ウザったらしい、」
「うざったらしい?ちゃんと見ろ、雪、、?聞いてんのか?!」
そう親父が私に声をかけた気がした。まあ無視するけどさ。
こんなニュース最後まで見るとか頭腐ってるっての。…なんて反抗してがんを飛ばしてやりたいけどここは我慢してやる。
…私みたいに世界を恨んでる人は
いるのかな。
──この世界は腐っている。
こんなやばいニュースを国の義務で毎日最後まで見るし、
昔のことに囚われた人間達の住処であるここは、国のために命を捨てて、他人のために自分を投げ出す。”自分より相手、死ぬなら自分”そんなスローガンが掲げられてるぐらい。この世界は終わってる。
毎日毎日、英雄紹介?国のために死んだ彼らにーなんて、古臭い。
そもそも私は命をほかの人に使うなんてできっこないからさ。
なんで他人のために死ねるわけ? 自分が生きてたらなんでも出来るのに、人生閉ざしてこの世界優先。
一人一人の人権なんて無いわけ?
はぁ……よくわかんないってば、
「はぁ朝から憂鬱。こんな世界生まれたくなかったよ……。行ってくんね親父」
そう言って私はドアを開けた。
ー中学校
「おはようございます。それではHRをはじめます。黙祷をするので立ってください」
そう委員長の声が響き渡る教室。
皆顔を下に向け目を閉じた。
ここの鳥籠のなかはみーんな
国に洗脳された人。
毎日黙祷。毎日ニュースを最後まで見たかのチェック。毎日死んだ人たちへの感謝。
同じことばっかで飽きるし、
私にそんな精神は理解できない。
学校で、こんなバカバカしいことを強要されているのにみんな笑顔。
自分の為にじゃなくてあなたのために。
綺麗事を汚く言ってるだけじゃん。
「マジでめんどくさいっての、、」
「”めんどくさい”……?櫻井さん。
いい加減にしてくれませんか?」
「…」
ッはぁぁ!?なにがいい加減よ。
先生だって上が言うから、こんなめんどくさいことを強制してきてるんでょ?はぁ。。
「また反省文で許してくれるんすか?」
「なんですかその舐め腐った態度!廊下に出てろ非国民が…」
非国民?国の奴隷はどっちだよ!
なんて言い返す間もなく、先生は私をせっせと押し出して廊下へ…
先生が教室に戻ったのを確認していつもどうり愚痴をいう
「ッさむ…。まああの教室にいるよりマシ、このまま抜け出そうかな」
「聞こえてるんですけど。櫻井さん?」
「うげっw」
最悪なことになってしまった。
先生にバレたとかありえない…愚痴バレちゃった。
まあ、3回に一回ぐらいバレてるからもうどうでもいいけどさー。
うげじゃないですよ。はぁ?なんですか、別にいいじゃないですか?はぁ!?何が別にいいじゃないですかって!?何を言ってるんですか櫻井……!……ッははww狂ってやんのww
そんな会話をしているとチャイムがなり、先生はドアを力ずよく閉めて去っていった
「去っていったってってことは……抜け出しOK!?」
ッしゃい!口論に負けたことない私にとってこんなやつ余裕でしかないんですよ!
にしてもどこ行こうかな……
これは黙祷終わりのチャイムだからどうせ廊下には誰もいないし…
しかも廊下は寒い……!!
いつもどうり別のクラスに逃げてもいいけど飽きた。
…あ、そうだ
「暖かそうな図書室行ってこよ!」
って…
「なんでHRが終わってないのに人がいるの?誰?」
「ッはwwwww死ぬ死ぬ。こっちのセリフなんだがボケナス」
「……は。?」
なに、こいつ。
図書室に初めて来たからと言って、
こんな化け物がいるなんて聞いてないんですけど!?
ボケナス?何その態度。
というかなんでここに居るの?
本当になんでここにいんの!?
HR中だよね!?うっうん。時間見たけどそうだ。
ってえ!?なんで!?
「なんでお前ここにいんの?!
ずっと図書室にいるの?お化けかなんか?HR中だよ?」
「お化け…?wwいい線とは行かないかなぁ5点!てかブーメランすぎワロス」
「ッはあぁぁ!?」
なんなのこいつ…?!
いるだけでイライラするんだけど、
というかさ?名前ぐらい名乗れよ……。
あっ、でも私が言ってないか…それならしょうがない。私が特別に行ってしんぜよう。
「ッ…私は1年5組の櫻井雪。あんたは?」
「僕は2年4組の芽桜 涼。すずっちとでも呼べよ」
…男のくせに可愛い名前しやがって。名前ぐらいお前から名乗れよな!しかも2年せ……2年生……2年生!?!?
「せっせっせせせっせんぱい?!」
「wwwwwしぬ。いやいや、、w
同級生ならあんな口悪く言うの?真似する?迫真の声ではああ!?とか言われた”アレ”ww」
う。うざい。
先輩なのに身近にいるガキンチョに見える。精神年齢ゴミだろ。
というか、芽桜って聞いたことあるな……
まあでもいっか!私にとっては国の洗脳玩具なんてどうでもいいし。
「せんぱーい。ウザイんですけどぉ」
そうベシッと頭を叩いてみる。
ほらどうだ、私の方が強いんだぞ!
「初対面の人に殴り掛かるとか暴力的ーやんなっちゃう☆てか先輩には敬語!!いい?」
……。
うっぜぇ…。なんできゅるんって顔面してんだよ。本当に殴りたくなってくる。
「つーか!なんでお前は図書室にいんだよ!うざすぎすずっち大将…!!」
「えっ敬語無視……!?いやまあ、先生に国をバカにするなって言われてさー。ま、毎日のことだしオールオッケー!」
「…!」
一緒だ。居たんだ。
クソみたいな世界に嫌だと思う気持ちがある人が。
こんな能天気馬鹿が、
私みたいに世界を見てるなんて。
この人はまだ洗脳されきってないんだ。
……少しは見直した。
「涼、、!!私も!こんな誰かのために命を捨てるとか、そんな政治が大っ嫌いで───」
「僕は、この世界が幸せになれてないって思うから。僕が頑張って1人でも幸せにしたいんだ。」
話を遮って彼は言った。
だからこそ、能天気バカの言葉が身に染みていく。
僕が頑張って1人でも幸せに。か
少し期待してたけど国の思想が少しあんじゃん。なんかうんざり〜…
まあでも?でも?気は会うよね?国が嫌いなんだもんね?!
「まあそれも0.01mm分かるわーw
んでさ、毎日ここで話さね?私たち」
「いや別にいいけど先輩!僕先輩!!!あとそれは共感してないという!!辞書をひけ!」
「うっせ能天気バカ」
「能天気バカしぬwwいいあだ名サンガツ!」
「サンガツって……?」
「知らんかったワロスwwwww」
「死ね。」
こうして私は、この世界をめちゃくちゃにしてやるための協力者を手に入れた。
「ただいまー親父。親父、、私世界救ってくるわ!」
そう笑顔で言っても冷たい顔で親父は無視した。
はぁ!?なんだよ、笑顔で言ってやったんだから…
「いいもん。ここにある餅食べるから。」
そう言って親父の前にある餅をとって食べてやった。親父は無反応だった。まぁそりゃそうなんだけどね〜!
まったく…この世界が腐ってることにもっと多くの人が気づいて欲しいってのに…
それを気づいている人が少なすぎる。これじゃ幸せになれないよ…
「ま、これから毎日すずっちと話すし!いっか!」
そうして何も食べずに布団にだいぶしてやった。
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コメント
1件
凄い面白そうな始まり方!!!